シグマから新型のカメラ「dp2 Quattro(クワトロ)」が発表されました。
考え抜かれた斬新なフォルム。早くこの手で握りたい。
手前右側に斜めに膨らんだ肉厚なグリップが秀逸。今まで味わったことのないカメラとの一体感を得られそう。
カメラの大小を問わず、右手のホールディングにおいては、親指の役割が大切です。親指をキュッと引き締めることによって、カメラの水平が保たれ、安定します。レンズが大きく重くなればその役割もより大きくなる(もちろん左手の役割も重要ですがここでは右手に限ります)。
従来のカメラは、おでこに押し当ててファインダーを覗いていた時代のフォルムをそのまま踏襲してきました。おでこに押し当てるから背面はフラットな方がいいし、人さし指でシャッターを押す手になじむ形がいい。
カメラをおでこに当てた状態では、右腕がカメラの真下よりもやや前方から支えます。そこでいわゆる「グリップ」は前方に張り出すことになる。一眼レフのみならず、より小型のカメラもおしなべてそのような形態を踏襲しています。
しかし、背面モニターのみを見て撮影する現代のデジタルカメラは、身体から離して構える。その場合、腕はカメラを後方から支えます。それならグリップは前方に張り出すより斜め後方に張り出すのが理にかなっている。それがまさしくdp2 Quattroのカタチ。
従来のカメラから見たら斬新なdp2 Quattroのフォルムは、現代のカメラのあるべき姿。カメラを構える人に優しい姿。撮影時のホールディングを考え抜いて作られた姿。
納得です。シグマのイノベーション、素晴らしい。
ボディの最薄部は20mmと予測。本当はもっと薄くもできたけど、ホットシューを載せるためにギリギリこの薄さにとどめた、と感じるくらい、シャープ。
この薄さもデザイン上のキーポイント。レンズとグリップのボリューム感をいっそう引き立てています。いかにもよく写りそうなレンズ、いかにもホールドしやすそうなグリップ。いわゆる「ボン・キュッ・ボン」なデザイン。魅力的です。
そしてすでに完成の域に達していると思っていた高画質「Foveonセンサー」にまた更なる革新が。世界で唯一、「垂直色分離方式」を採用する3層構造のセンサーで、光と色を100%受け取る。その完璧なセンサーが、その構造を変えて、より効率良く光を取得し、解像度が30%向上、ノイズ特性も向上、とのこと。
それによって、一般的なセンサーの3900万画素相当の高解像度を得られるとのこと。すばらしい!!
そしてレンズ。この45mm相当のレンズの画質は折り紙付き。「シグマdpシリーズ」として、ゆくゆくは28mm相当の「dp1 Quattro」と75mm相当の「dp3 Quattro」も発売される。「シグマdpシリーズ」、つまりQuattro三兄弟を「カメラ交換式カメラ」として使えば「Quattroシステム」が成立します。
3900万画素の一眼レフや一眼カメラにその解像度を生かせる程のレンズ3本を購入するのと、「Quattroシステム」を使うのとを天秤にかける。一眼レフでなければ撮影できない被写体とかF1.4といった明るいレンズを必要とする被写体なら一眼レフ。一方、「Quattroシステム」は、高画質、コンパクト、軽量、といったメリットを享受できます。
いままでの「Merrillシステム」(DP1 Merrill/DP2 Merrill/DP3 Merrill)もshioはそのように使ってきました。これから「Quattroシステム」が1台1台世に出てくるのが、すっごく楽しみです。
1台1台、少しゆっくりめに発売していただく方が、個々を堪能できると思います。Quattroシステムを持って旅する日を心待ちにしています。
まずは2月13日〜16日にパシフィコ横浜で行われる「CP+」で実機を見るのが楽しみです。なお、2月15日14:55からshioはシグマブースのステージでトークショウ「レンズ沼にハマらない写真術」をいたしますので、合わせてご来場くださいませ。