【2015年12月31日に数か所、追記、修正しました】
2011年4月1日に日本語入力を「ローマ字入力」から「親指シフト」に転向して以来4年。筆舌に尽くしがたい快適さ。ベストな日本語タイピングが親指シフト。すでに何度もblogに書いてきました。
shioの周囲で、文章をたくさん書く人、文章を書くことの重要性を理解している人、文章を楽しく書きたい人々は、どんどん親指シフトに転向していっています。毎日、たくさんの答案を書くロースクールの大学院生はもちろん、学部の学生たちも親指シフトへ。
いったん親指シフトの快適さを知ってしまったら、ローマ字入力していた昔の自分が不憫でなりません。1980年代から親指シフトを知っていたのになんでもっと早く親指シフトにしなかったんだろうと。
しかし、2011年になってから親指シフトを始めたことが、かえって良かったとも思っています。常に最新のコンピュータ環境で快適に親指シフトできるから。
20世紀終盤のワープロ専用機時代には「親指シフト専用キーボード」が存在しましたし、PCの時代になっても当初はそれが売られていました。もしshioがその時代から親指シフトしていたら、もしかしたらそのキーボードに固執してしまっていたかもしれない。「親指シフトするなら専用キーボードじゃなきゃダメ」などという凝り固まった「思想」を持ってしまったら不幸です。
でも2011年に親指シフトを始めたshioは、幸いにしてそういう「専用環境」の呪縛はありません。すべて現代の一般的な道具で、快適な親指シフト環境を実現しています。
shioが親指シフトで日本語入力するために使ってるキーボードは3つ(もちろん欧文もそのキーボードで行います)。
- MacBookの本体キーボード
- Apple純正「Magic Keyboard - JIS」
- PFU製「HHKB Professional JP」
どれも超快適です。専用キーボードの必要を感じません。
MacBookの本体キーボードだけで快適に親指シフトでタイピングできるので、電車の中でも、喫茶店でも、空港でも、フライト中も。Macをパッと開いた瞬間から親指シフトで文章を書ける。「親指シフト専用キーボード」にこだわっていたら、こういう利便性は得られなかったと思うと、2011年になってから親指シフトを始めてよかったとさえ感じます。
何度も言いますが、「親指シフト専用◯◯」は何も必要ありません。親指シフトはMacでもWindowsでも、他の一般的なJISキーボードでもOKです。いまでも依然としてネット上に「親指シフトには専用◯◯が必要」という情報が散見されますが、古い情報や思い込みに基づく書き込みです。
2015年の現在になって再び親指シフトが支持されるようになったのは、日本語タイピング方法として優れていることはもとより、「専用環境」は必要なく、「多様な環境」で、自由に、そして無償で親指シフトできる状況が整ったからだと思います。shio自身も、もしMacとMac本体のキーボードで親指シフトできなかったら、どんなに優れていると知っても親指シフトに転向することはなかったことでしょう。
そもそもshio的には、親指シフトとMacが組み合わさって快適性を感じているのですから、Macで親指シフトできることに意義があります。(もちろんWindowsでも同じように親指シフトできますし、そのことの意義は大きいです。shio自身はWindowsを使う機会がゼロなため、Windowsの親指シフト環境も全く試していないので言及できないというだけ)
現在、shioの親指シフト環境は、下記の通りです。
- Karabiner:Macのキーボードレイアウトを変更する無償ソフトウェアです。Macにこれをいれれば親指シフトできるようになります。さらに次の「orzレイアウト」を入れることでより快適に親指シフトできるようになります。Karabinerのおかげで、Macで容易に親指シフトできるようになりました。作者に感謝!!
- orzレイアウト:キーボードの右半分を1列右にずらす親指シフトレイアウトです。これによってホームポジションが右に1列ずれるため、Macの「かな」キー(Windowsだとり「変換」キー)を右親指シフトキーとして使うにあたって手や指の位置が自然になります。orzレイアウトのおかげで、すべてのJISキーボードで快適な親指シフトが実現されました。作者に感謝!!
- Mac標準の日本語入力プログラム(通称「ことえり」):Macに標準搭載されている、非常に賢いかな漢字変換。最短でも句読点まで入力してから変換すると、ほとんど再変換や修正を必要としないほど的確な表記を得られます。日本語をスラスラ書くためにMacを使っていると言ってもいいほど完璧な変換結果なので、気分良く書き続けられます。shioは句読点変換をonにしているので、句読点まで文章をタイピングし、句読点を打った瞬間に的確なかな漢字混じり文が現れる。素晴らしい。なめらかで高速な入力ができる親指シフトに最適な日本語入力プログラムだと感じます。【2015年12月31日追記:2015年11月以降、最新のOS X 10.11に搭載された「ライブ変換」がさらに素晴らしい。入力すると自動的に仮名漢字混じり文を生成してくれるので、もはや人間が変換操作をする必要がなくなりました。変換、修正、確定の必要がないため、ひたすら入力を続けられます。】
すべて無料。Macで親指シフトを実現するのは簡単です。その設定方法はすでに何度か書いています。
それに加えて、あると便利で快適性が増すために使っているものがこちら。
- HHKB Professional JP:shio的に現代最高のPFU製キーボード。自宅でも研究室でも使っています。その絶妙な触感は、よく調整された万年筆のヌメヌメとした吸い付くような筆記感に匹敵する。どんどん筆が進みます。研究室では立ち机の前に2台並べて、左手用と右手用、デュアルで使っています。以前はMacBook AirやMacBook Proとともに、持ち歩いて使っていました(MacBookになってからは持ち歩いていません)。PFUに感謝!!
- かわせみ2:気分次第でことえりから替えて使うMac用の日本語入力プログラム。安定していて、軽快で、柔軟なカスタマイズと強力な辞書編集がありがたい。作者に感謝!!【2015年12月31日追記:上記のようにMac標準の日本語入力プログラムで「ライブ変換」ができるようになったため、もう残念ながら「かわせみ2」は使っておりません。】
さて、そのキーボード。HHKB Professional JPがいいのは当たり前ですが、Macのキーボードも相当いい。いままでMacの中でも「MacBook Air」のキーボードがもっとも好きでした。剛性が高くて、安定しています。またApple純正の「Magic Keyboard - JIS」も快適です。Mac本体がUSキーボードの場合はこれを使えばOK。
現在、shioが最高と感じるApple製のキーボードは、最新のMacBook本体のキーボード。発売されて以来、1ヶ月以上にわたって使っていて、これベスト。小さい力と最小の動きでサラサラ書ける。親指シフトでタイピングしていると画面上をカーソルが高速で右に進み文章が伸びていくので、軽く小さい動きでサラサラ書けるMacBookのキーボードは親指シフトのリズムにマッチしています。
というわけで、現状、MacBook本体のキーボード、「Magic Keyboard - JIS」、そしてHHKB Professional JPの3つが、shio的にベストな親指シフト入力のためのキーボードです。
なお、念のため付記しておきます。親指シフトの「同時押し」とは、親指と他の指とを、本当に「同時に」押し込むことをいいます。親指シフトキーを「押しながら」他のキーを押す「ながら押し」ではなく、同じタイミングで押し込む「同時押し」です。これが親指シフトのキーポイント!!