親指シフト

2016.06.20

4432-160617 「ローマ字入力」と「親指シフト」との両刀使いになれますか

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日本語入力の方法としてメジャーなのは「ローマ字入力」と「JISかな入力」。でもshioは基本的に「親指シフト」で入力しています。

「ローマ字入力」の6割くらいの打鍵数で同じ文章を入力できるので、打鍵数が少なくて早いし楽。濁音、半濁音、小文字まで含めてすべてのかなが「1文字1打鍵」で入力できるから、頭にある日本語をそのままのリズムで書けるのが「楽」なのです。

親指シフトは「日本語ネイティブ」な入力方法と感じます。

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親指シフトに関して「親指シフトとローマ字入力の両刀使いになりますか」という質問をよく受けます。

サッカーできるようになったら、野球ができなくなりますか?

英語がしゃべれるようになったら、日本語がしゃべれなくなりますか?

平泳ぎができるようになったら、クロールできなくなりますか?

自動車を運転できようになったら、自転車に乗れなくなりますか?

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スキルというのは一つ一つ、加わっていくものです。親指シフトできるようになったからといって、ローマ字入力が出来なくなるなんてことはありません。ローマ字入力で日本語を普通に入力できるし、英語も普通にタイピングできます。

実際shioは、Macでは親指シフトで、iPad Proのソフトキーボードではローマ字入力で、日本語を入力しています。また、もちろん英語も普通にタイピングできます。全てタッチタイピング(ブラインドタッチ)で、キーボードを一切見ることなく、さらさら打てます。

ちゃんと練習して「身につける」ことさえ終わっていれば、各々、100%できる。必要に応じて身体が切り替わる。混同することもない。

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大切なのは「身につける」こと。つまり、ローマ字入力できる人が新たに親指シフトを練習するなら、「身につく」まで、ひたすら練習を続けること。「身につく」とは「閾値を超える」こと。ここまでやったら身体が忘れないというレベルまで、ひたすら続ける。それまではローマ字入力をしない。

だから、ゴールデンウィークとか、年末年始とか、夏休みとか、親指シフトが身につくのに必要な1週間くらいローマ字入力から離れられるまとまった時間に練習するのがいい。もし、親指シフトの練習中、まだ身についていない間に日本語を高速で入力する必要が生じたら、iPhoneでフリック入力すればいい。

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親指シフトがきちんと身につけば、いくらローマ字入力しても大丈夫。ローマ字入力するときにはローマ字入力で、親指シフトするときには親指シフトで、身体が自在に切り替えてくれます。

もちろん、親指シフトをできるようになってしまうと、「ローマ字入力なんてまどろっこしい」という感覚は大きい。「ローマ字入力なんてしたくない」という気持ちになります。ですが、ローマ字入力が必要な環境なら、仕方ない。ローマ字入力、します。できます。

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「親指シフトとローマ字入力、両刀使いになれますか?」「なれます。」

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写真は神楽坂のカンボジア料理店「バイヨン」にてiPhone 6s Plusで撮影。

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2016.05.02

4369-160415 HHKBは改造不要でそのまま親指シフトキーボードになります

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「親指シフトをするには専用キーボードが必要ですか?」というご質問をいただきました。このブログに何度か書いておりますが、専用キーボードはまったく不要です。MacやWindows PCの一般的なJISキーボードでそのまま親指シフトできます。

1990年代までは、富士通のオアシスシリーズが親指シフトできるほぼ唯一の環境だったので、それ専用のキーボードが存在しました。当時から親指シフトしている人々は、それに慣れているため、中にはそのような「親指シフト専用キーボード」が必須だとおっしゃる方もいらっしゃいます(そうでない方々もいます)。

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一方、shioのように21世紀になってから親指シフトを始めた者にとっては、むしろ汎用のJISキーボードで親指シフトできることに価値を感じます。環境を問わずどこでも親指シフトできるという柔軟性がありますし、特殊なものが必要ないというのは、何より楽です。

日本語のかな漢字変換機能も自由に選べます。shioはMacに標準の「ライブ変換」を使っています。変換キーを押す必要がほぼゼロ。文字キーを打鍵し、文字をタイプしていくだけで、的確なかな漢字混じりの文章が自動的に記述されていくからです。1音1打鍵という親指シフトの特徴と相まって、本当に楽。

したがって、キーボードなどのハードウェアに関しても、かな漢字変換機能などのソフトウェアに関しても、「親指シフト専用」は何も必要ない。すべて一般的な汎用品でOK。日本語入力以外のさまざまな機能の使い勝手まで含めると、現代のMac/PCを使うには、むしろ昔の専用キーボードより汎用のJISキーボードの方が便利です。

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中でもPFU製の「HHKB」シリーズは、shioの経験上、ベスト。親指シフトを一般のJISキーボードで楽に実現する「orzレイアウト」に設定すると、右手の親指の位置がちょうどスペイスキーの右隣のキーに合うため、自然な指の形のまま、親指シフトでタイピングできるからです。本当に楽。

下の写真は、「HHKB」シリーズ最新の「HHKB Professional BT」。

orzレイアウトに変更した位置に両手を置いています。親指キーが自然な位置にあって、手の形も自然なのがお分かりいただけると思います。

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さらに「でもHHKBは高価なので…」というご意見をいただきました。確かに「HHKB」シリーズのうち、「HHKB Professional」シリーズは極上の打鍵フィーリングなので価格も2万円台と高めの設定ですが、安価な「HHKB Lite」シリーズもあります。5,400〜5,800円程度です。

友人の中にはこちらの打鍵感の方が好き、という人もいるくらい、打ちやすい。そして何より、親指シフト用として使う場合には、右手親指キーが大きめにできているのがメリット。その点に関しては「HHKB Professional」シリーズよりベターなほど。

今もこうしてHHKB Professional BTを親指シフトでタイプしながらMacBookのUlyssesにこれを書いています。本当に快適〜〜。

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2015.12.30

4255-151223 Macで親指シフト(Orzレイアウト)の導入方法(2015年12月23日版)

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同僚がヨドバシカメラ吉祥寺店でMacBookを購入。その足でshioの研究室に来て、各種設定。といってもiCloudのアカウントを入力すれば、スケジュール、メッセージ、ブックマーク、iPhoneで撮影した大量の写真などが、すべてMacに降ってくるので、特段、設定すべきものはない。

その他、Evernote、Dropboxのアカウントを入れれば、いままでの環境がすべて再現され、すぐに業務を継続できる。クラウド時代、楽になったものです。

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最後に親指シフトの導入設定をしました。

  1. Karabinerをインストール。
  2. Orzレイアウトをダウンロード。
  3. Karabinerの「Preferences」で「Misc & Uninstall」にある「Open private.xml」を押す。
  4. 開いたフォルダに、2. でダウンロードしたファイルのうち「orz」フォルダと「private.xml」を移動
  5. Karabinerの「Change Key」で「ReloadXML」をクリックしたら1段目に表示される「親指シフト Orzレイアウト」の左端の「▶︎」を押して「▼」にし、下記14項目にチェックを入れる。
    1. (1番目)<親指シフト ローマ字モード>左シフト=スペース、右シフト=かな
    2. (9番目)「:」キー
    3. (11番目)英数モード 右キー配置を下のように変更
    4. (12番目)6→¥(option+¥→\)
    5. (14番目)英数モード センターキー変更
    6. (15番目)日本語モードでのShiftとの英数入力を下記のように変更
    7. (16番目)日本語モードでのShift 英数字 センターキー変更
    8. (17番目)commandキー for finder with Orz
    9. (18番目)ことえり CONTROLキー with Orz
    10. (24番目)[改行] Control+M to Return with Orz
    11. (25番目)control+H to BS
    12. (26番目)Control+D to Forward Delete
    13. (28番目)Control+PNBF to Up/Down/Left/Right
    14. (29番目)Control+AE to Command+Left/Right
  6. もういちど「ReloadXML」をクリック
  7. Seilをインストールして設定(「For Japanese」にある3項目すべてにチェックを入れる)。

Seilは入れなくてもいいのですが、現時点のMac(OS X 10.11.2)だと入れた方がライブ変換の際、画面表示が早くなるように感じるので、入れています。

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設定が終わったら、早速練習開始。親指シフトは全く初めての彼とその奥様。一緒にホームポジションだけで入力可能な例文から始めて、ひたすら入力すること4時間。

「親指シフト習得の掟」を守ってひたすらタイピングを続ける。

彼が「終わった〜!!」と言うので、何が終わったのかと思ったら、すべての配列を記憶したとのこと。ランダムにひらがなを言ってみると即答する。確かにすべて記憶したらしい。すごい!!

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年末年始は、親指シフト(など新しい入力方法)を習得する良い機会です。shioの経験では、親指シフトを始めて3日でとりあえず実用に耐える速度になり、1週間でローマ字入力と遜色ない速度になります。その1週間を確保できるのが年末年始。shioの場合、18日目にはMacのモニタのフチに貼っていた親指シフトキー配列表を剥がす程度に完全習得しました。つまり、その時点で閾値を超えていたということだと思います。

快速、快適、楽チン日本語入力方法である「親指シフト」を身につけたい人は、年末年始が絶好の機会だと思います。完全に身につくまでは親指シフトだけ。絶対にローマ字入力しない。その他、上記の「掟」に忠実に。

「閾値を越えるまでは一意専心、短期集中」。スキルを身につける鉄則です。

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2015.12.21

4245-151213 iPad Proでローマ字入力始めました〈写真はiPhone 6s Plus〉

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23年間続けたローマ字入力から親指シフトに転向したのが2011年4月1日。以来、Macでは一貫して親指シフトで日本語入力しています(iPhone/iPadではフリック入力とmazecによる手書き文字入力です)。Mac標準の「ライブ変換」と相まって、スラスラ書ける。言葉を流しこむように、脳から文字へ、スムーズに筆記が進みます。

iPad Proを使い始めて以来、こちらは一貫して手書き。Apple Pencilを手に持ち、MetaMoJiの「mazec」を使って、すべてのアプリで手書き文字認識によって入力しています。Macでタイピングを続けていると、手で文字を書く機会が極端に減りますので、こうして文字の形を考えながら手で書いて、それが活字として入力できる環境はありがたい。

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先日、サンフランシスコ在住のエンジニア @drikin さんと話していたら、彼はiPadでは完全にソフトキーボードだけで入力しているとのこと。むしろハードウェアキーボードよりも高速だとおっしゃる。それは興味深い。

早速試してみました。といっても残念ながらiPadでは親指シフトできない。iPad用に開発された親指シフトアプリはいままで全て購入して試しましたが、どれも中途半端で実用になりませんでした。

そこでローマ字入力です。iPad Proで純正のキーボードを開くと、Macなどの一般的なキーボードと同じサイズ。なので、その上に手をかざしてタッチタイピング(ブラインドタッチ)してみると、意図した文字をほぼ間違いなく入力できます。素晴らしい。

ハードウェアキーボードと違って物理的にキーを押し下げる必要がないので、各指が文字通りタッチしただけで入力されていく。ある意味究極のキーボードです。

そのうえ素晴らしいことに、ローマ字入力的なタイポ(typo:誤打鍵)はiPadが補正して変換してくれる。今も「究極も」と入力してしまいましたが、筆頭の候補には「究極の」が表示されました。ありがたい。

これでいつの日かMacと同じ「ライブ変換」が搭載されたら理想的。きっとそう遠くない未来、iPadの日本語入力もライブ変換になることを心待ちにしています。

しばらくiPad Proでは、手書き文字入力とローマ字入力を併用してみます。

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2015.06.22

4062-150613 【親指シフト】は「ながら押し」ではなく「同時押し」だから「親指プラス」とでも呼ぶ方が適切かも〈写真はdp1 Quattro〉

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来日している @drikin@mazzo がshioの研究室を来訪。backspace.fmのライブ収録で、再び親指シフトについて語りました

そこで明らかになったのは、「同時押し」を理解していただくのが大切、ということ。親指シフトにおいて「同時押し」は最大のキーポイント。それを誤解していると、うまく設定できていても親指シフトできません。

親指シフトorzレイアウト Apple Wireless Keyboard (JIS)

親指シフトでは、1つの文字キーに対して3通りの押し方をします。上の配列表をご覧ください。

  1. 文字キーをそのまま押す→配列表で各キー中央に記載されているかなが入力されます(ex.う、し、て、け)。
  2. 文字キーを押す指と同じ手の親指でシフトキーを「同時押し」→配列表で各キー左上に記載されているかなが入力されます(ex.を、あ、な、ゅ)。
  3. 文字キーを押す指と反対の手の親指でシフトキーを「同時押し」→配列表で各キー中央に記載されている文字の濁音が入力されます(ex.ゔ、じ、で、げ)。濁音が存在しない場合、左下に記載されている半濁音が入力されます(ex.ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ)。

この「同時押し」のやり方がキーポイント。「文字キー」と「親指シフトキー」を本当に「同時に」、つまり同じタイミングで押し込むのです。キーボードの両サイドにある「Shift」キーや、「Command」、「Option」、「Coltrol」といった機能キーは、それを押しながら文字キーを押す「ながら押し」ですが、親指シフトは異なります。「ながら押し」ではなく「同時押し」。

この「同時押し」。ピアノを弾くように2本の指だけを動かして和音を弾くように同時に押すことももちろんできますが、手全体を手首から動かしたり、肘から先全体を動かしたりして入力することもできる。そこが「ながら押し」よりも優れているところ。「ながら押し」は、複数の指を指だけで動かすといった器用さを要求されますが、「同時押し」は2本の指(親指と他の指1本)で押し込む際、「同時」でいいので、手全体を動かせばいい。指だけを動かす必要なし。器用さを必要としない。

不器用でもできる。それが「同時押し」です。Facebookの「親指シフトグループ」でもなんども質問として出ていますので、その都度、どのように説明したらご理解頂けるか悩ましいのですが、一旦わかってしまえば「同時押し」はシンプルで簡単です。

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親指シフトの「同時押し」を「ながら押し」に誤解してしまう原因は、「親指シフト」というネイミングにあると思います。「シフト(shift)」とは、「ずらす」、「移動する」という意味。昔のタイプライターで、大文字や記号をタイプする前に押し込んでおくキーが「シフトキー」。それを押し込むと、活字を打ち込むアーム群を保持する「タイプ・バスケット」全体が下にずれて(シフトして)、異なる文字を印字できる仕組みです。

つまり、シフトキーとは「ずらす(シフトする)」キーであり、その使い方は常に「ずらす→打鍵する→もどす」という3ステップからなる動作を要します。タイピングに関して「シフト」という単語を聞いたら、普通の人はこの3ステップの動作を想起するはず。言葉のセンスが鋭敏な人ほど、「親指シフト」=「親指でシフトする」=「親指でずらす」=「親指でシフトしながら文字キーを打鍵して親指を戻すという使い方」を想像するに違いありません。

shioは20世紀終盤のワープロ専用機全盛期に普及していた親指シフト機を知っている世代なので誤解はしませんでしたが、それを知らない人、あるいは親指シフトでタイプしている様子を直接見る機会のない人は、何の疑問もなく「ながら押し」するはず。そうすると、MacやWindows機に親指シフトの設定をしたはずなのに「同時押し」ができない、という事態に陥ります。

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したがって「親指シフト」と呼ぶのは不正確。何もずらさない(シフトしない)キー、操作に「シフト」と名付けたのが誤解の元。

では「親指シフト」ではなくなんと呼べばいいのか。「親指プラス」ですかね。

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ネイミングはさておき、親指シフトの「同時押し」は「ながら押し」ではなく同じタイミングで押す。これさえわかっていただければ、親指シフトで快適にタイピングできるようになると思います。

ちなみにshio、親指シフトで同時打鍵をするようになって以来、普通のcommand+aとかcommand+cとかもほぼ同時押ししています。それでちゃんと機能するので、3ステップで行うより1ステップで実行できて、快速です。

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2015.06.15

4051-150602 【親指シフト】のキーボード選び

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【2015年12月31日に数か所、追記、修正しました】

2011年4月1日に日本語入力を「ローマ字入力」から「親指シフト」に転向して以来4年。筆舌に尽くしがたい快適さ。ベストな日本語タイピングが親指シフト。すでに何度もblogに書いてきました。

shioの周囲で、文章をたくさん書く人、文章を書くことの重要性を理解している人、文章を楽しく書きたい人々は、どんどん親指シフトに転向していっています。毎日、たくさんの答案を書くロースクールの大学院生はもちろん、学部の学生たちも親指シフトへ。

いったん親指シフトの快適さを知ってしまったら、ローマ字入力していた昔の自分が不憫でなりません。1980年代から親指シフトを知っていたのになんでもっと早く親指シフトにしなかったんだろうと。

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しかし、2011年になってから親指シフトを始めたことが、かえって良かったとも思っています。常に最新のコンピュータ環境で快適に親指シフトできるから。

20世紀終盤のワープロ専用機時代には「親指シフト専用キーボード」が存在しましたし、PCの時代になっても当初はそれが売られていました。もしshioがその時代から親指シフトしていたら、もしかしたらそのキーボードに固執してしまっていたかもしれない。「親指シフトするなら専用キーボードじゃなきゃダメ」などという凝り固まった「思想」を持ってしまったら不幸です。

でも2011年に親指シフトを始めたshioは、幸いにしてそういう「専用環境」の呪縛はありません。すべて現代の一般的な道具で、快適な親指シフト環境を実現しています。

shioが親指シフトで日本語入力するために使ってるキーボードは3つ(もちろん欧文もそのキーボードで行います)。

  1. MacBookの本体キーボード
  2. Apple純正「Magic Keyboard - JIS
  3. PFU製「HHKB Professional JP

どれも超快適です。専用キーボードの必要を感じません。

MacBookの本体キーボードだけで快適に親指シフトでタイピングできるので、電車の中でも、喫茶店でも、空港でも、フライト中も。Macをパッと開いた瞬間から親指シフトで文章を書ける。「親指シフト専用キーボード」にこだわっていたら、こういう利便性は得られなかったと思うと、2011年になってから親指シフトを始めてよかったとさえ感じます。

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何度も言いますが、「親指シフト専用◯◯」は何も必要ありません。親指シフトはMacでもWindowsでも、他の一般的なJISキーボードでもOKです。いまでも依然としてネット上に「親指シフトには専用◯◯が必要」という情報が散見されますが、古い情報や思い込みに基づく書き込みです。

2015年の現在になって再び親指シフトが支持されるようになったのは、日本語タイピング方法として優れていることはもとより、「専用環境」は必要なく、「多様な環境」で、自由に、そして無償で親指シフトできる状況が整ったからだと思います。shio自身も、もしMacとMac本体のキーボードで親指シフトできなかったら、どんなに優れていると知っても親指シフトに転向することはなかったことでしょう。

そもそもshio的には、親指シフトとMacが組み合わさって快適性を感じているのですから、Macで親指シフトできることに意義があります。(もちろんWindowsでも同じように親指シフトできますし、そのことの意義は大きいです。shio自身はWindowsを使う機会がゼロなため、Windowsの親指シフト環境も全く試していないので言及できないというだけ)

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現在、shioの親指シフト環境は、下記の通りです。

  • Karabiner:Macのキーボードレイアウトを変更する無償ソフトウェアです。Macにこれをいれれば親指シフトできるようになります。さらに次の「orzレイアウト」を入れることでより快適に親指シフトできるようになります。Karabinerのおかげで、Macで容易に親指シフトできるようになりました。作者に感謝!!
  • orzレイアウト:キーボードの右半分を1列右にずらす親指シフトレイアウトです。これによってホームポジションが右に1列ずれるため、Macの「かな」キー(Windowsだとり「変換」キー)を右親指シフトキーとして使うにあたって手や指の位置が自然になります。orzレイアウトのおかげで、すべてのJISキーボードで快適な親指シフトが実現されました。作者に感謝!!
  • Mac標準の日本語入力プログラム(通称「ことえり」):Macに標準搭載されている、非常に賢いかな漢字変換。最短でも句読点まで入力してから変換すると、ほとんど再変換や修正を必要としないほど的確な表記を得られます。日本語をスラスラ書くためにMacを使っていると言ってもいいほど完璧な変換結果なので、気分良く書き続けられます。shioは句読点変換をonにしているので、句読点まで文章をタイピングし、句読点を打った瞬間に的確なかな漢字混じり文が現れる。素晴らしい。なめらかで高速な入力ができる親指シフトに最適な日本語入力プログラムだと感じます。【2015年12月31日追記:2015年11月以降、最新のOS X 10.11に搭載された「ライブ変換」がさらに素晴らしい。入力すると自動的に仮名漢字混じり文を生成してくれるので、もはや人間が変換操作をする必要がなくなりました。変換、修正、確定の必要がないため、ひたすら入力を続けられます。】

すべて無料。Macで親指シフトを実現するのは簡単です。その設定方法はすでに何度か書いています。

それに加えて、あると便利で快適性が増すために使っているものがこちら。

  • HHKB Professional JP:shio的に現代最高のPFU製キーボード。自宅でも研究室でも使っています。その絶妙な触感は、よく調整された万年筆のヌメヌメとした吸い付くような筆記感に匹敵する。どんどん筆が進みます。研究室では立ち机の前に2台並べて、左手用と右手用、デュアルで使っています。以前はMacBook AirやMacBook Proとともに、持ち歩いて使っていました(MacBookになってからは持ち歩いていません)。PFUに感謝!!
  • かわせみ2:気分次第でことえりから替えて使うMac用の日本語入力プログラム。安定していて、軽快で、柔軟なカスタマイズと強力な辞書編集がありがたい。作者に感謝!!【2015年12月31日追記:上記のようにMac標準の日本語入力プログラムで「ライブ変換」ができるようになったため、もう残念ながら「かわせみ2」は使っておりません。】

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さて、そのキーボード。HHKB Professional JPがいいのは当たり前ですが、Macのキーボードも相当いい。いままでMacの中でも「MacBook Air」のキーボードがもっとも好きでした。剛性が高くて、安定しています。またApple純正の「Magic Keyboard - JIS」も快適です。Mac本体がUSキーボードの場合はこれを使えばOK。

現在、shioが最高と感じるApple製のキーボードは、最新のMacBook本体のキーボード。発売されて以来、1ヶ月以上にわたって使っていて、これベスト。小さい力と最小の動きでサラサラ書ける。親指シフトでタイピングしていると画面上をカーソルが高速で右に進み文章が伸びていくので、軽く小さい動きでサラサラ書けるMacBookのキーボードは親指シフトのリズムにマッチしています。

というわけで、現状、MacBook本体のキーボード、「Magic Keyboard - JIS」、そしてHHKB Professional JPの3つが、shio的にベストな親指シフト入力のためのキーボードです。

なお、念のため付記しておきます。親指シフトの「同時押し」とは、親指と他の指とを、本当に「同時に」押し込むことをいいます。親指シフトキーを「押しながら」他のキーを押す「ながら押し」ではなく、同じタイミングで押し込む「同時押し」です。これが親指シフトのキーポイント!!

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2015.05.22

4031-150513 【親指シフト】その本質は言行一致だからダイレクトで楽チン

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MacでもWindowsでも日本語を「楽チン入力」できる「親指シフト」。ローマ字入力の57%の少ない打鍵数で文章を書けることから「高速入力」できる、という点に注目されることが多いです。

でも親指シフトの本質は「楽チン」にあり。「高速入力」できるのは結果であり、あくまでも副次的効果。

親指シフトでは、頭の中にある日本語の「音」をそのままタイプできます。脳内の「音」がダイレクトに文字になる快感。ローマ字入力のようにアルファベット2文字とか3文字とかに脳内変換する必要がない。日本語の音とリズムそのままダイレクトにタイプできる。日本語の音を直接、指が押し、日本語のリズムそのままにタイプするキーの打鍵音が聞こえ、画面上の文字が増え、入力が進む。濁音、半濁音などもすべて一打鍵で入力できるから、リズムが一定。

言葉と指の動き、言葉とキーの音、そして文章の進行と画面の文字の進み方が常に一致している気持ちよさ。「言」と「行」が一致している端正な滑らかさ。

その「言行一致」が「楽チン」の源です。ゆっくり入力しても素早く入力してもその「楽チン」効果は味わえます。この日本語を「楽」に入力できるという資質こそ、親指シフトの本質です。

Mac、Windowsで親指シフトによって日本語入力するとき、「orzレイアウト」だとさらに楽。その配列表を @kosegaki さんが作ってくださいました。Apple Wireless Keyboard (JIS)用に描かれています。許諾をいただきましたので、感謝して掲載させていただきます。

親指シフトorzレイアウト Apple Wireless Keyboard (JIS)

親指シフト初心者が練習を始めるときは、この配列表を縮小印刷してMacのモニターの淵に貼り付けます。「キーボードは絶対に見ない」のがタイピングの鉄則ですから、まちがってもマスごとに切り抜いて各キートップに貼り付けたりしないこと!!

常時指を置くホームポジションは下記の通り。

  • 左手:「う」に小指、「し」に薬指、「て」に中指、「け」に人差し指、スペースキーに親指
  • 右手:「と」に人差し指、「き」に中指、「い」に薬指、「ん」に小指、「かな」キーに親指

このようにorzレイアウトでは、欧文タイプライターの本来のホームポジションより、右手側だけ1列、右にずらしています。それによって右手親指シフトとして使う「かな」キーの位置が自然と右手親指の位置に来るため、無理なく、楽にタイピングを続けることができるのです。

また常時「かな」キーに右手親指を置いているので、残りの4本の指も自然と上記のホームポジションにいつも置かれることになります。ホームポジションを意識する必要なく、確実に正確なタイピングができるのです。

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2014.12.26

3901-141224 午後のティーパーティーで高校生に親指シフトを伝授

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素敵なティーパーティーにお招きいただきました。

高校生と中学生のお嬢さんが作ってくださったケーキの数々。フワッフワのシフォンケーキとサクッサクのスコーン。お紅茶とともに大変美味しくいただきました。ごちそうさまでした!!

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お礼に(というわけではないですが)彼女が使うMacに親指シフトを設定。Mac OS X 10.6で動いているiMacに、「KeyRemap4MacBook」と「orzレイアウト」をインストール。

OS X 10.9と10.10用には、KeyRemap4MacBookの最新バージョンである「Karabiner」を使いますが、10.6なので旧バージョンの「KeyRemap4MacBook」(ver. 8.4.0)。そして「orzレイアウト」も古い方(ver. 1.7.0)を入れました。

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ちゃんとorzレイアウトで親指シフトできるようになりました。

キー配列表をダウンロードして画面に表示し、基本を教えてさっそく親指シフトにトライ。

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ホームポジションだけで打てる文例から練習開始。下記「NICOLA派宣言」や「ホームポジションだけで入力できる例文89選」を見ながら、ゆっくり入力。

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同時に、controlキーを使ったカーソル操作も伝授。下記記事の下の方にまとめてあります。

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タッチタイピング習得 7つの掟

  1. 常に手の力を抜いてお化けの手
  2. 10本の指は常時ホームポジションに軽く置く
  3. タイプする指だけを動かしてキーをやさしく押す
  4. タイプし終わった指はすぐにホームポジションに戻す
  5. 画面(とキー配列表)のみを見て、キーボードは絶対に見ない(もし見てしまうようなら手の上にタオルをかける)
  6. ゆっくりゆっくり
  7. 注意深く正確にタイプし、絶対に間違えないように気をつける

スキルを身に付けるためには、閾値を超えるまで短期集中。基本です。だから親指シフトの練習を始めたら完全に習得するまで、ローマ字入力など他の入力方法は絶対に行わず、親指シフトのみで打鍵し続ける。

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彼女、練習を始めたら超集中。周りで楽しそうに話をしているのも関係なく、完全に没頭している。すばらしい!

この調子だと彼女は1週間もたたずに、親指シフトで自在に文章を書けるようになると思います。

【追記】彼女から練習開始2日目の感想が届きました。本人の了解を得たので、ここに転載します。「まだホームポディションだけですが、昨日より大分スムーズに出来るようになりました。慣れてきますと本当に楽ですね。少ない労力でどんどん打ち込める、まるで魔法のような入力法です。感動しました。もうキーボードが視界に入ると、何か打ちたくて打ちたくてウズウズしてくるくらいです。」

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2014.12.23

3892-141215 Macで【親指シフト】を実現するKarabinerがver.10.5にアップデイトして高速化

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Macで親指シフトを実現する「Karabiner」が、バージョン10.5.0にアップデイトしました。

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いくつかある今回の改良点のうち、shio的魅力ポイントは2つ。

  • キータイプが速いときの、キーの同時押しの判定が改良されました。
  • キーを離したときのモディファイアの扱いが改善されました。

ver. 10.4までは、高速でタイピングしていると、左親指シフトとして使っているスペースキーのタイミング次第で、たま〜に文字列が「変換」されてしまうことがありました。文字キーと同時打鍵しているはずなのに、微妙にずれているせいか、スペースキーの単独打鍵の「変換」とみなされていたのです。いつでも発生する問題ではなかったものの、思わず変換されてしまうと修正することになるため、その現象が生じる特定の組み合わせは注意深く打鍵する必要がありました。

今回、10.5を入れて使ってみたところ、その問題が全くない。高速でタイピングしても、左手の文字キーと左親指シフト(スペースキー)とがいつでもきちんと「同時押し」として認識されて、不意に「変換」されることがなくなりました。たぶん上記2つの改善の恩恵。

本当に快適。これで親指シフトの「超高速タイピング」が実現。ありがたい!! すばらしい!!

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なお、shioはKarabinerの設定に「orzレイアウト」を入れて、右手を1列右側にずらして使っています。USキーボードより1列多くてホームポジションが左にずれているJISキーボードを左右対称に近く使えるし、右親指シフトとして使う「かな」キーの位置がベストポジションです。本当にありがたい!!

今回Karabinerがアップデイトしたことで、Macの親指シフト環境は完成の域に達したように感じます。もう何も不具合も感じない。高速でタイピングを続けていて、つまずくことなく、ずっと滑らかに書き続けられます。

Macで親指シフトによる「超高速タイピング」が実現。本当にありがたい。

もちろん「超高速」というのはあくまでもshioの「個人的感想」であり、shioがローマ字入力する場合と比べた「当者比」でございます^^

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2014.12.16

3884-141207 親指シフトするにはMac/PCの標準JISキーボードでOKです

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日本語のタイピングを2011年4月1日に「親指シフト」に転向して3年半。周囲の人々で親指シフトに興味を持ち、転向する人が徐々に増えています。同じ文章をローマ字入力で打つより打鍵数が半分近く、スピードは倍近く。楽です。

もともと富士通のワープロ専用機「オアシス」に搭載されていた日本語入力用キー配列で、富士通製品のみで使える「方言」でした。JISによる「標準語」にも採用されず、今にいたるまで「方言」のまま。

でも現在では、多くの方々のご尽力により、MacでもWindows機でも使える「共通語」になっています。Mac本体やApple純正のJISキーボード、Mac用として売られているキーボード、そしてWindows機で使えるJIS配列のキーボードなら、基本的にどれでも使えます。特殊なキーボードは不要。

shioが「親指シフト」で日本語入力していると言うと、「専用キーボードが必要なんでしょ?」という反応を受けます。確かに、親指シフト専用のキーボードというものは存在し、いまでも細々と売られています。

1970年代、1980年代のワープロ専用機時代から親指シフトしている方々の中には「親指シフトは専用キーボードが必須」とおっしゃる人もいますが、それは昔から親指シフトしている人だけの話。21世紀の親指シフトは、一般的なJISキーボードでできる「共通語」です。専用キーボードは必要ありません。

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かつての専用キーボードはワープロ専用機時代の配列を踏襲しているので、一般的なキーボードの配列と異なるところが多くて、それこそ「方言」でした。現在、一般的なMac/PCのJISキーボードで親指シフトできますし、むしろその方がMacの操作には使い勝手がいい。昔から親指シフトしている人でも、現代のMac/PCの環境に合わせて、専用キーボードではなく普通のJISキーボードをお使いになっている方々もいます。

なので心配無用。ハードウェアはいまのまま、何も足すことなく快適に親指シフトできます。shioも含め、shioの周囲で親指シフトを最近始めた人は100%、普通のJISキーボードを利用して快適に親指シフトしていて、全く問題ありません。

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Macでは「Karabiner」を、PCでは「やまぶきR」をそれぞれ無償で入れれば即、親指シフト。それに「orzレイアウト」を加えれば、右手側を1列右にずらす(returnキーに近づける)ことで、いっそう快適に親指シフトできます(もちろんアルファベットもそのままきちんと入力できます)。

諸設定の方法はこのblogの「親指シフト」カテゴリーに書いておりますので、ご参照ください。

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ちなみにshioは、MacBook Airなどの本体のJISキーボードや、Apple純正のJISキーボードで親指シフトしますが、なんといっても気に入っているのはPFUの「HHKB Professional JP」。ちょっと高価ですが打ち心地最高。また廉価版の「HHKB Lite 2 for Mac」でも十分快適に親指シフトできます。

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