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2016.01.06

4262-151230 反省は何を生むのか〈写真はシグマ「dp0 Quattro」〉

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The Huffington Postに掲載されていた記事。

「謝罪」と「反省」は全く異なります。分けて考えましょう。

2005〜2007年の2年間、サンフランシスコやスタンフォード大学の周辺に住んだshioの経験としては、そこに住む市民は、日常生活でちょっと何かあると、誰でもすぐに「I’m sorry.」とおっしゃる。日本で生活している時に「ごめんなさい」を耳にするよりはるかに頻繁に、日常的に「sorry」を聞きます。子どもたちにも家庭や学校で、すぐに謝るように指導しています。

そして大切なのはその後。相手が「I’m sorry.」と言ったら即「That’s okay.」と返す。大人も子どもも皆そう言います。つまり「謝る→許す」というコミュニケイションのセットが成り立っているのです。人の失敗に対して大切なのは「許す」ことですから。

カリフォルニアに住んでいると、この会話のセット、日々、耳にします。学校でも家庭でもレストランでもスーパーのレジでもあちこちで。渡米前には「アメリカ人は謝らない」と聞いていたけど、実態はまったく逆だ、との印象を強く持ちました。

それに比べると、日本ではなかなか「ごめんなさい」を言わない。そして「ごめんなさい」と言われた人が返答する「That’s okay.」に相当する定型的表現がない。「大丈夫です」が近いかもしれません。shioは「いいですよ」と言うようにしています。

相手が謝ったら許すことが大切なのに、許すための定型的表現がないのはコミュニケイションに行き詰まります。非常に重要な会話表現であるにもかかわらず、日本語に定型的な表現がないゆえ、中高の英語の授業でも「I’m sorry.」→「That’ okay.」という会話を習わない(shioは習いませんでした)。

謝る→許す。人はみな失敗するのだから、失敗したら許すというところまで、定型的表現がある方がいい。そのあとで双方、善後策を考える。失敗は誰でもするから、大切なのはそれを事実として受け止めて甘受し、ではそのあと何をすればいいか、どうすると事態を好転させられるか、双方一緒にアイディアを出し、実践する。それいかんによっては、失敗する前より良い結果を得られる場合も多い。失敗に拘泥するのは時間の無駄だし双方にとって損です。歴史を巻き戻すことはできないので、起こったことを前提として、「次」を考え行動することが大切です。

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その際に失敗した人が「反省」をするかどうかは本人の自由。したければすればいいし、したくなければする必要ない。

例えば、シュートを外したサッカー選手がその場に正座して反省する? シュートを食い止められず点を取られたゴールキーパーはこうべを垂れて反省する? 三振したバッターは反省する?

すぐに気持ちを切り替えて、次のプレイに専心するのが望ましい。シュートを決められなかったら、次のチャンスでシュートを決められるようにプレイに集中したり試合後に練習することが大切。シュートされて点を取られたキーパーは、次のシュートを食い止められるよう前を向くことが大切。三振したら次の守備でフライを捕球してアウトを取るとか、次の打席でヒットを打つことが大切。

未来志向。失敗したら次以降で挽回することが大切。

ルール違反した場合には、レッドカード(赤信号)が灯って、ストップがかかる。それもルール。ルールに従って次の試合の出場停止など一定期間が経過すれば赤信号が消え、またプレイを続けられる。

しかし失敗はルール違反じゃない。赤信号も灯っていない。すぐにプレイを続行することか大切。反省などしている暇はない。

そもそもシュートしてゴールを決められるのは何回かに一回。打席に立ってヒットを打てるのは何回かに一回。あのイチローだって打率3割強。残りの6割は「失敗」です。その度に反省しているのか知らないし知る必要もない。「次」に向けて準備し、トレイニングするに違いない。

人生、前に向かって歩く。後ろを振り返って止まっていても、何も生まない。何も好転しない。

反省するのは本人の自由。したければすればいい。本人が決めることだから少なくとも周囲の人は、反省など求めるべきではない。それよりも、前に向かって歩き出せるよう、事態が好転するよう、次のプレイに前進できるよう、アシストするのが周囲の人々の役割。

その第一歩が「許す」ことだと思います。失敗した相手に反省を求める暇があったら、一刻も早く「許す」方策を探るべきです。そうすることで物事が前に進み、事態が進展します。

謝る→許す→次に進む。これが前向きでクリエイティブなコミュニケイションです。

That's okay. 許す優しさを持ち続けたいと思います。

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