1年生の女子学生から一眼レフ購入相談のメッセージが届きました。
「先生、こんにちは。お久しぶりです!◯◯◯◯です!
お金がたまりつつあるので3月中旬くらいに念願のカメラを買おうとおもってます。フルサイズのカメラがいいと思ってCanonのEOS 6Dにしようと考えてます。
このカメラについて先生の意見をお聞きしたいと思い連絡しました!お忙しいところ申し訳ないのですが、お暇なときにでもお返事ください(^^)」
以下、shioからの返信。shioの考え方を率直に書いています。なおブログ用に加筆しました。
EOS 6D、いいですよ‼︎ 僕の仕事ではメインカメラです。仕事というのは結婚式、ポートレイト、取材などね。(なお、日常や海外などで自分の表現として撮影するときはほとんどシグマの「dp Quattro」シリーズとリコー「GR」です)
6Dは現在の一眼レフカメラとしてベスト。小さい、軽い、静か。暗い場所でもピントが合う。画質、いい。ファインダーはちゃんとした光学式。今僕がすべての一眼レフから1台選ぶとしてもこれ。
大切なのはレンズです。写真をうまくなりたいなら、ズームではなく、明るい(F値が小さい)ズームしないレンズが必須。暗い(F値の大きい)ズームレンズ使っててもうまくなりません。
では、どのレンズがいいか。悩みどころです。僕がもっともよく使っているレンズは、シグマの35mmF1.4。同じシグマの50mmF1.4もポートレイトとかでよく使います。
しかし、写真をこれから始めるなら、価格のことも考えると、キヤノンの50mmF1.8のレンズがいいですよ。実売価格9,000円くらいですから、安い。軽い。小さい。なのに、画質は非常にいいです。
こんな安価なのに画質は素晴らしいですよ。僕も写真を始めた頃は、ずーーっとこれ(の初代モデル)だけで撮影し続けました。まずは10,000枚。
付け加えると、6Dには2種類の「レンズキット」があるけど、間違えてもそれを買っちゃダメよ。このレンズ、大きくて重い。そしてどちらもレンズのF値が「F4」です。超暗い‼︎ こんな暗いレンズを買っちゃったら、一眼レフの面白さ、写真の楽しさのほとんどを捨てるようなもんです。
F値が大きいと背景がボケにくい。F値が小さければ、暗い場所でもブレずにサクサク撮れるだけでなく、背景をボカした「一眼レフらしい写真」を簡単に撮影できます。F値の小さい(明るい)レンズなら撮影時に絞りを絞ることによってF値を大きく(暗く)できるけど、F値の大きい(暗い)レンズのF値を小さく(明るく)することは不可能です。だからレンズのF値は小さい(明るい)ほうがいい。
でも写真をよく知らないユーザーはズームレンズを求める。なので、そのニーズに合わせてメーカーは重いズームレンズをキットにして売る。構造が複雑なズームレンズをコンパクトに設計すると、レンズの直径が短くなり、取り込める光が少なくなるから、暗く(F値が大きく)なります。F値の大きい(暗い)ズームレンズを買ったユーザーがあとで「明るいレンズじゃなきゃ背景がボケないんだ」とわかったら、ようやく別の明るいレンズを買うことになります。
なので、最初から明るい(F値の小さい)レンズを買いましょうね。背景をぼかした美しい写真を撮れます。軽くて小さいから、気軽に持ち運べます。それでたくさんたくさん撮影して写真が面白くなる。だんだんレンズの意味もわかってくる。そのとき、もしズームレンズが欲しいと思ったら、買えばいい。
EOS6Dをボディ単体で買う場合(約15万円)とレンズキットを買う場合で、差額が6万円〜8万円。そのお金で、旅行にでも行ってたくさん撮影する方がいい。もしそのお金でレンズを買うのでも、F2以下の明るレンズを買ったほうがいい。どれを買ったらいいかはいくらでも相談に乗るけど、写真をうまくなりたいなら、まずは上記のレンズで10,000枚。他のレンズを使うのはその後です。
もし50mmよりもうちょっと広角が欲しいということであれば、35mmF2のこれもいいです。
このレンズはすごく(被写体に)寄れるので、いいですよ。
いずれにしても、EOS 6Dのボディとズームしない明るいレンズを1本買ってまずは10,000枚。それがスタートラインです。
50mmF1.8か35mmF2。どっちもF値が小さい、つまり明るい。そこ、レンズ選びで最重要ですよ^_^
彼女からのお返事。
「こんなに詳しくありがとうございます…!!!レンズキットで買った方がいいのかボディを買ってレンズを別に買ったほうがいいのか悩んでたので、とても助かります!!
では先生の言う通りにボディとそのCanonの50mmF1.8のレンズを買おうと思います!!ありがとうございます!!またわからないことなどあったらお聞きします!」