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2014.04.21

3641-140410 成蹊大学「民法2」第1回

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成蹊大学「民法2」講義、第1回。

2年生向け、契約法の体系を身に付ける講義です。成蹊大学では1年生向けの民法1を3クラス(各約100名)に分けて3人の教員(うち1名はshio)が担当しています。民法2以上は1クラス。つまり、1年生のときに3人の教員で異なる内容を身に付けた学生が、一堂に会する初めての民法の講義です。

講義開始時点で、425人収容の5号館102教室の前半分がほとんど埋まっている状態。

今年からこの大教室でも「デジタル黒板」を使います。この教室はプロジェクターが旧式で比較的暗いため、昨年までこの大教室だけは「デジタル黒板」を使いませんでした。しかし、スクリーンは大きく、Share Anytimeによるデジタル黒板では必要部分を非常に大きく拡大して表示することから、プロジェクターの光量が暗めであっても十分な視認性を得られることがわかったので、今年から使うことにしたのです。これで完全に、shioが担当するすべての講義でデジタル黒板を利用していることになります。

すでに大学の方で、教室にApple TVを常設してくださってあるので、shioは教卓の操作盤で電源をONにし、「HDMI」ボタンを押すだけでOK。自動的にステージ上のライトが減光し、正面のホワイトボードが左右に割れて奥から大型のスクリーンがせり出し、プロジェクターがONになって、Apple TVの画面が投影されます。shioは、持参したiPad Airを教室のWi-Fiに接続し、教室のApple TVを選択するだけ。iPad Airの画面がプロジェクターで教室正面に大きく表示されますので、Share Anytimeを開いて準備完了。マイクはピンマイクを使って両手を自由にします。

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講義開始。挨拶したあと、「民法、好きな人?」「民法、面白いと思う人?」と問いかける。

昨年1年間民法1の講義を履修して、もし「民法面白い」と感じていなかったら、それは教えた人に責任がある。これから半年間、shioが民法を教えて、半年後、民法を面白い、とみなさんが感じていなかったら、それはshioの負け。shioがこの講義を通してみなさんにお伝えしたいのは、「民法は面白い」ということだから、といったことを話す。

まず学生全員に、「民法って何ですか?民法は何のためにあるのですか?」という中学生からの質問に対する回答を、12行以上、消えないペンで記述してもらいました。そのあと、書いたオピニオンペーパーを学生同士5人で読み合い、4人にコメントを書いてもらいました(1人が4人分にコメントするということ)。

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  • 頭を使って身体を動かす。手、目、口……。教室は学生たちがエクササイズするジム。shioはコーチ。教員だけがエクササイズして学生が見学しているような体育の授業はない。みなさんの体育、脳みそもみなさんの身体の一部、それを鍛えましょう。
  • さてでは民法って何ですか?→十数名が発言。その発言を受け止めながら、すべて褒め、さまざまなコメントをする。またその過程で、この講義のルールとか発言の方法を伝える。
    • 発言するときは書いたものを見ない。書く言葉としゃべる言葉は別の言語。だから、書いたものを読まない。読み上げない。しゃべるときは、書いたものを伏せる。見ない。
    • 発言回数を記録してください。挙手して発言したものをカウントしてください。shioは、挙手していない人に発言を求めることは絶対にしない。
    • 発言は早い者勝ち。ただし同時に挙手した人が複数いる場合、前の列が優先。

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  • さきほど、みなさんがいまこの時点で、民法をどのように理解しているかを、言語化し、客観化し、マイルストーンとして記録していただいた。この30回の講義で、みなさん自身の民法観を膨らませていってほしい、民法とはこういうものだというイメージを精緻に築き上げてほしい。そして3ヶ月後、みなさんが民法を今よりありありと説明し、描けるようになっていたら、それがみなさんの成長であり、進化。

  • 質問:試験はどうやって採点するのですか?→100点満点というものはない。人の能力は無限。100点という上限を前提とするのは間違い。だから減点する発想は皆無。すべて加点法。いいところ、面白いところ、よく書けているところをどんどん加点していく。

  • 質問:発言点には発言内容が加味されるのですか?→みなさんが発言した内容に、善し悪しはありません。だから内容を問わず発言1回1点。
  • 質問:試験はどのような形式ですか?→過去問はすべてshioのblogに掲載してあります。検索してください。
  • 質問:どのような答案が高い評価を得られますか?→あなたがどう考えているかがよく表現されている答案です。条文、学説、判例は私も知っているので詳しく書いていただかなくて結構です。ある問題に対して、あなたがどう考えるのかを表現してください。客観情報を素材に使って、あなたの主観を表明する。そのクリエイティビティによって未来をつくっていく訓練をするのが大学です。

そんな感じのオリエンテイションと導入から講義を始めました。今年も面白くなりそうです。

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