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2014.04.14

3639-140408 成蹊大学「民法1」第1回

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新年度が始まりました。火曜1限は1年生向けの「民法1」の第1回。

まったく初めて法律に接する学生たち。その思いをくみとります。

shioの講義は原稿なし、レジュメなし、計画なし。100%アドリブ。話す内容は学生たちと対話しながら決めていく。なので、記憶を頼りに、自分が話したトピックを書き起こしてみました。

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  • 最初の20分間で「民法に対するイメージ」を各自、オピニオンペーパーに記載(A4判用紙の半分くらいまで)。他人に提出する書面なのだから鉛筆(シャーペン)でなく、消えないペンで、責任持って。
  • 書き終わったら、各列5名程で回して、互いにコメントを書きあう。
  • 挙手した学生のうち30名くらいに、各自の「民法に対するイメージ」を発言してもらう。
  • その際、成績評価の50%は期末試験の点数、50%は発言の積算回数(つまり発言1回1点)で付けること、挙手した人に発言権があること、挙手が競合した場合は前の列の人が優先、というルールを伝える。
  • shioの「民法のイメージ」をiPad AirのShare Anytimeを使った「デジタル黒板」に板書。
  • 1年間、shioの民法観を見て、聞いて、自分の民法観を作っていって欲しい。
  • みんな、ノート取ってる???
  • ノートの使い方。shioは横置き。その理由。
    1. 客観と主観を分ける。
      • 左側に教員が言っていることを、わかってもわからなくても書いていく。
      • 右側が空く。そこに、自分の思考を投影する。教員が言っていることに対して、「面白い!!」「なぜ?」「それはおかしい」「よくわからん」「自分ならこう考える」「先週言っていたことと矛盾するのではないか?」
      • 左が客観、右が主観。
      • 左が他人、右が自分。
      • 左が環境、右が自己。
      • 左が過去、右が未来。
      • 左が「学」、右が「問」。
      • 左よりも右が重要。
    2. スクロール感覚。人生は1本の線。講義も1本の線。
  • 学問で最も重要なことは、客観と主観を分けること。客観的に得た情報をさも自分が考えた、自分のアイディアであるかのように表現することは絶対にしてはいけない。客観情報には必ず出典を明示(著作権法48条)。
  • ノートは自己表現の場。そのきっかけとなるのが客観情報。客観情報(左)から感じたこと、考えたことを右に書く。
  • 「みなさんがどう考えるか」に価値がある。「私はこう考えます」。我々の心、知性から生み出されるもの、どう感じ、どう考え、どう表現するか。あなたはどう考えますか。それを研ぎ澄ましていく。主観を研ぎ澄ましていく。みなさん自身が未来をつくっていく。そのために大学に来ているのです。
  • 学問は、「!」と「?」との循環。
    • 「!」が「学」、「?」が「問」。
  • 「学問」とは何か。
    • 高校までは「学習」する。世の中でスタンダードな考え方、知識、情報を学び取る。客観情報をどんどん摂取する。取り込む。
    • 客観情報は事実だから、正解はひとつ。「誰々が何々と言った」「いついつに何々が起こった」「この人はこう考えている」……。事実はひとつ。正解はひとつ。
    • だから高校までの学習や大学入試では、原則として「正解はひとつ」という世界。
    • 大学に入ってもその延長で、正解を探そうとしてしまう。しかし、学問に正解はない。
    • 大学は「学問」するところ。後の世の小中高校生が「学習」することになるような内容を作るところ。
    • 高校までは学習が目的。大学でも学習する要素はもちろんある。しかし、大学では学習は手段。目的は学問。知的な付加価値を創造していく。
    • 「学問」とは学を問うこと。「学」に対して、本当か?、それでいいのか?と問いかけ続ける。より良いものはないのか?より今の社会に適切なものはなんだろう、と問い続ける。よりよいアイディアを出す、ベターな、より現代の社会に適合したしくみ、ルール、考え方を出すために問う。
    • 主観を問われているのだから、解は人の数だけある。唯一絶対の正解は存在しない。法律学において唯一絶対の正解はない。あるのは人それぞれの解。それはあなた自身の心の中にある。答えは人の数だけある。
  • という話を聞いて、疑問を持ちませんか? shioの話もみなさんにとって、客観情報だよ。疑問を持って欲しい。
  • 法律学において本当に正解はないのか。→1つの訴訟で裁判は何回できますか。3回。地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所。法律のプロである裁判官が、3人、5人、ときには15人で合議して下す判決が、3度の裁判で各々異なる。これが、法律学において唯一絶対の正解はない、あるいは正解が複数あるという何よりの証拠です。裁判官の数だけ、正解があります。
  • みなさんが自分自身の民法観を描けるようになっていただきたい。各種の法律問題に対して、ご自身の解を自分の力で出せる人になって欲しい。そのツールとして民法を使えるように、この講義でトレイニングしていただきたい。shioはコーチです。トレイニングするのは私ではなくてみなさんです。
  • shioがお伝えしたいのは、「民法は面白い!!」ということ。ものすごく面白い。それを1年かけてお伝えしていく。ちゃんとこの講義に1年間参加して、1年後、民法を面白いと感じていなかったら、それは私に責任がある。
  • 今日書いた「民法のイメージ」が1年後、どう変わっているか。たぶん大きく変わっていると思います。その変化がみなさんの成長です。進化です。
  • 民法は面白い。1年間、楽しく進めていきましょう。

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5限はゼミ。全員で自己紹介して、各種の役職を決めて、「民法パート」と「知財パート」に分けて始動。

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写真は成蹊大学前の絶品イタリアンレストラン「イルラメリーノ」のランチをリコーGRで撮影。

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