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2014.03.20

3611-140315 大学で身に付ける、考えるスキル、伝えるスキル、書くスキル

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慶應義塾大学に行って、小林節教授の最終講義に出席しました。本当に面白いご講義でした。

shioが経済学部の3年生の時、法学部に学士入学を検討し始めた頃、最初に相談に乗ってくださったのが小林先生です。友人の紹介で、先生に面会を申し入れたところ、快く三田の喫茶店に連れて行ってくださって、的確かつ大変あたたかいアドバイスをいただきました。また、著作権法研究を志すに関しても、研究の方向が2つある、と複眼的視点を与えてくださいました。

shioが成蹊大学に着任したあとも、三田のキャンパスでお目にかかると「お、ご活躍ですね」と、どこかに掲載されたshioのインタビューなどに目を通されていて、声をかけてくださる。本当にありがたい。

専攻分野が異なるので、大学院等で研究上のご指導を直接受ける機会はありませんでしたが、shioが法学部に学士入学した最初の年に履修した「憲法」は小林先生のご講義でした。毎回、知的刺激に満ちあふれた本当に面白い講義でした。体系と論理に裏打ちされた緻密な主張の構築方法を学びました。

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慶應義塾大学の先生方はみなさん、「私はこう考える」をロジカルに説く講義をなさる。さまざまな法的イシューについて、先生ご自身がどのように考え、悩み、現時点でどう結論を出しているかを、法律というツールを使い論理的に解き、説くのが、慶應義塾大学法学部の先生方の講義です。だから講義が面白い。

誰々という学者はこう言ってるとか、判例はどうだとか、本を読めばわかるような話は相対的に少ない。そんな情報は、その教室に行かなくても、いくらでも手に入り、知ることができる。レジュメに書いて配布すれば終わるような情報伝達は、講義の目的ではない。レジュメを配布する講義なんて、少なくともshioが学生のときにはまったくなかった。本日の小林先生のご講義ももちろん、レジュメなどありませんでした。それでも、きちんと体系的、立体的な内容が学生の心に響いてくる。

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講義する先生からうかがうのは、その先生ご自身がどのような手順で、どのような素材、論拠を使って、どのように考えを進め、論旨を展開し、自己の主張としての結論までたどり着いたか。その論理と価値観を理解しながら、その先生の「学問」という思考体系を追体験する場。それが講義です。

各教員が行うそのような講義に参加した学生たちは、教員ごとに異なる多様な学問体系や価値観を追体験する。それを生かし、実践する場がゼミ。自分だったらどう考えるか、自分はどのような価値観を持つのかが問われる。それを他の学生たちに述べ伝える過程で、法的思考と表現のスキルを磨いてゆく。

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大学とは、それらの過程を経て、徐々に、他人と異なる自分の答えを出せるようになるための修練の場です。他人と異なることに価値がある。他人と異なるから互いに尊重する。異なるから面白い。

考えるスキル、伝えるスキル、書くスキル。そういったスキルを身に付けるスキルとともに会得してほしい。そう願いながら、shioはこれからも学生たちと接していきます。

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