3593-140225 【親指シフト】姫野カオルコさんが親指シフトについて語っていらっしゃいます
1月17日に直木賞を受賞された姫野カオルコさんが「親指シフト」を使っている、と記者会見で述べています。
- 姫野カオルコさん「親指シフトキーボードに支えられ」直木賞受賞会見→ http://book.asahi.com/booknews/update/2014011700005.html?iref=com_rnavi
それを受け、2月24日の産経新聞に、親指シフトを解説する記事が掲載されました。
- 日本語を綴るために 直木賞の姫野さんを支えた親指シフトって?→ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140224/its14022409370000-n1.htm
素晴らしい。いまや親指シフトを知っている人がとても少なくなってしまったので、こうして多くの人の目に触れる記事が出るのは素晴らしいことです。とてもありがたい。
少し補足します。親指シフトするには、専用キーボードは不要です。普通のMac(やWindows)のJISキーボードでちゃんと親指シフトできます。現にいまshioは、Mac純正のJISキーボードを使い、親指シフトでこれを書いています。
Webを見ていると、「親指シフトしてみたいけど専用キーボードの価格が高いから……」という書き込みがあるけど、専用キーボードは必要ありません。むしろ、専用キーボードよりもMacのJISキーボードの方が使い勝手がいい。また、PFUの「HHKB(Happy Hacking Keyboard)」シリーズなら、その極上のタッチで快適に親指シフトできます。
- Happy Hacking Keyboardシリーズ→ http://www.pfu.fujitsu.com/hhkeyboard/
記事にもあるように、普通のJISキーボードで親指シフトできるようにするプログラムを、複数の方々が開発してくださっています。それを使えばきちんと実用レベルで親指シフトできます。
Macでは「KeyRemap4MacBook」、Windowsでは「やまぶきR」を入れれば、JISキーボードが親指シフト配列になります。さらに、それらに加えて「orzレイアウト」を入れると右手側を1列右にずらせるので、格段に快適になります。
- KeyRemap4MacBook→ https://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/index.html.ja
- やまぶきR→ http://yamakey.seesaa.net/category/8364446-1.html
- orzレイアウト→ http://www.orz-layout.com/
親指シフトで入力する場合、同じ文章をローマ字入力でタイプするのに比べて半分近くの打鍵数で済みます。ローマ字入力の0.7倍の速度でゆっくり打鍵しても、1.2倍の速度で入力されるのです。目に見えて速い。23年間ローマ字入力してきた私は2011年4月1日に親指シフトを始めてもうすぐ3年。いまだに、頭で考えているよりも先に指が入力した文字列が進んでいて驚くことがあるほど、速い。思考よりタイピングの方が速い。
しかし、本質的には速さよりも大切なことがあります。それは「楽」であること。日本語の音を子音と母音に分解せず、音節(子音と母音のセット)のまま入力していくので、脳内にある日本語の音がそのまま指の打鍵動作であり、かつ画面の表示となります。いわば言葉と打鍵が一致する「言行一致」が成立し、おかげですべてにおいて楽なのです。
たとえば、打鍵時に耳から聞こえてくる打鍵音も日本語の1音に1打音が対応します。だから日本語のリズムを崩さないで言葉を文字にできる。ローマ字入力時の機関銃のような音やリズムと比較して、親指シフトの入力音とリズムは日本語で思考している頭脳にとって自然で快適です。
この日本語入力方法は「親指シフト」と呼ばれていますが、「かな入力」の一種です。JIS配列は「JIS配列のかな入力」、親指シフトとは「Nicola配列のかな入力」のことです。
「JIS配列のかな入力」は、濁音(がざだば行)や半濁音(ぱ行)を入力するのに2打鍵を要します。また、拗音(っ、ゃ、ゅ、ょ)の入力時には、その前に左右いずれかの小指でshiftを押しておく必要があります。一方、親指シフトは、すべてのかなを1打鍵で入力できます。だから入力動作も、そこから聞こえる打鍵音も日本語の音に一致していて、入力リズムが一定し、楽なのです。
私が教えたロースクールの院生たちは何人も親指シフトに転向しました。毎日毎日大量の文章(論文・答案)を書くことが司法試験への訓練ですから、彼らには、親指シフトが最適です。そのスキルは、司法試験に合格したあと、実務でたくさんの起案をする際などに、生涯、役立ちます。
親指シフトに対するshioの思いは、親指シフトを始めた日の夜にTwitterに書いた「親指シフトを始めた今日、ローマ字入力していた昨日までの自分が不憫でたまらない^^」に象徴されています。こんな素晴らしいこと、なんでもっと早くに始めていなかったんだろうと、悔いました。できるだけ早く始めたほうが、幸せになれます。親指シフトを教えてくださった新井さんには、どんなに感謝してもしきれません。本当にありがたい。
マジで親指シフトできるようになりたいのであれば、習得方法は簡単。1日8時間練習して、3日でものにする。週末だけで生まれ変われます。そのあと1週間、実務で使えば、もう完全に自分のもの。スタートしたらダッシュです。その際、親指シフト習得7つの掟を守ること。
- 3256-131010 【親指シフト】習得の掟7つに→ http://shiology.com/shiology/2013/10/3256-131010-7-8.html
そのほか、このblogには親指シフトの習得方法などについてたくさん書いております。下記のリンクから一覧できますので、ご参考になさってください。
- shiology「親指シフト」カテゴリー→ http://shiology.com/shiology/cat22683936/index.html
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