1816-091030 絶対画角感
前回の続き。
本気で写真を撮りたいという人には,50mm相当の明るい(F値が2.8以下の)レンズで,まずは10,000枚,撮影することをお薦めしています。
50mm相当というのは,EOS 5D Mark IIのように撮像素子が「フルサイズ」のカメラでは,そのまま50mmのレンズ。キヤノンでは,「EF50mm F1.8 II」,「EF50mm F1.4 USM」,「EF50mm F1.2L USM」,シグマでは「50mm F1.4 EX DG HSM」がこれにあたります。
一方,EOS 50D, 7Dなどのように撮像素子がAPS-Cサイズのカメラでは,28mm~35mmのレンズが該当します。
キヤノンであれば,「EF28mm F2.8」,「EF28mm F1.8 USM」,「EF35mm F2」,「EF35mm F1.4L USM」といったレンズ,シグマでは「30mm F1.4 EX DC HSM」がこれに該当します。
なぜか。
「絶対画角感」を養うためです。
赤を見て「赤」と認識する。
青を見て「青」と認識する。
逆に,「赤ってどんな色?」と聞いて,赤い色を想像したり,赤い絵の具を選択できる。
「青ってどんな色?」と聞いて,青い色を思い浮かべたり,青いペンを選択できる。
音の場合も同じ。
「ド」の音を聞いて「ド」と認識する。
「ソ」の音を聞いて「ソ」と認識する。
逆に,「ドの音を出して」といわれて,「ドー」と歌える。
「ソの音ってどんな音?」ときかれて,「ソー」と声を出せる。
絶対音感と呼ばれます。
カメラのレンズも同じ。
28mmのレンズがついたカメラで被写体を見て「28mmの画角」と認識する。
50mmのレンズがついたカメラで被写体を見て「50mmの画角」と認識する。
逆に,「28mmの画角ってどのくらい?」と問われて,「このくらい」と両手で範囲を示せる。
「ここから50mmのレンズでどの範囲が写る?」と問われて,「ここからここまでが写る」と示せる。
これが,絶対画角感。
ズームレンズを使っていると,絶対画角感が身に付きにくい。画角が可変だからです。
一方,単焦点レンズ(ズームしないレンズ)を使ってたくさん撮ると,たとえば50mmのレンズであれば50mmの画角が自然に身に付き,50mmの画角でどの範囲が写るか,カメラを見なくてもわかるようになります。
そうなればしめたもの。絶対画角感が身に付いている証拠。
これによって思い通りに作画できるようになります。
なぜ50mmか。
それはもっとも汎用性が高いからです。広角レンズ的にも狭角(望遠)レンズ的にも撮れる,万能レンズだからです。
基本の画角であり奥が深く,表現の幅が広いからです。
かくして,本気で思い通りの写真を撮れるようになりたい人には,絶対画角感を養うため,50mm単焦点レンズを使ってまずは10,000枚撮ることをお薦めする次第です。
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Comments
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勉強になりました!!
Posted by: cue | 2009.11.03 23:52
あなたは、素晴らしいですな。
shinoさんは、人生楽しそうですね。
オレも見習いたい。
Posted by: 海上 | 2009.11.04 00:26