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2008.04.04

1236-080328 言語教育のスタイル

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GR Digital 2007

Cambridge大学で興味深いことはたくさんあります。
英語教育のスタイルもそのひとつ。

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教員は、学生たちがしゃべりたくなるテーマを提供します。

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それもただただ口頭で議論するのではなくて、複数の人と次々と対話するとか、動作が必要なために自然と体を動かすことになるものなど、工夫されています。ロースクールやビジネススクールのケースのようなものもあります。どれもとても面白い。

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言語の教育は表現教育だと思います。

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自分でしゃべるには、その言語に対する知識を総動員しますから、「しゃべる」という表現行為にはその言語を用いるすべてのチカラを伸ばす原動力が含まれているからです。

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いいたいことがあって、それをしゃべりたいと思うから、辞書をひくし、まねできそうな例文を探すし、他の人の言う言葉に耳を傾けるし、語順に興味を持つし、文法の機能を身につける。

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GR Digital 2007

「しゃべりたい」「表現したい」という欲求(=需要)があるから、言語情報の供給を喚起するのです。

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EOS 40D / EF28mm F1.8

そのためには、言語教育の時間には、いかに学生が表現する時間をたくさん作るか。
それが教師の腕の見せ所です。

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EOS 40D / EF28mm F1.8

以前、小学生にスキーを教えるトレイニングを受けたとき、講師がおっしゃいました。
「10人のグループのスキーレッスンで、子どもが2時間のレッスン中に滑っている正味時間をトータルすると何分くらいになると思いますか?」

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その答えは、2~5分だそうです。
たった数分。

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リフトに乗ったり、リフトから滑降するところまで移動して集合する時間などを差し引いたとしても、口で説明している時間がいかに長いかを物語っています。そして、子どもが実際に滑っている時間をできるだけたくさん確保するのがいいレッスンだと。

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当然です。
滑れば滑るほど、うまくなるんだから。
アドヴァイスは一言にして、それ以外はできるだけ滑らせる。

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言語教育も同じ。

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できるだけたくさん、しゃべらせる。
それ以外の説明は必要最低限にして、できる限りしゃべる時間を確保する。

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今回のケンブリッジ大学で行われていた各クラスの英語教育では、まさにそれが実践されていました。写真を撮りに各クラスを回っているshioも、その場で学生たちの「話し相手」を頼まれるほど。「話し相手」とはつまり「聞き手」であり「問いかけ手」です。

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shioの講義やゼミでは学生たちが発言する機会が多いですが、それはまったく同じ考慮によるものです。
法律が理解できて法律用語を使えるようになるためには、法律の言葉でたくさんしゃべる。

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これが最高の訓練だと思うのです。

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