1168-080128 著作権法期末試験
「紅一点」!!
本日(1月28日)は、著作権法の期末試験が実施されました。
試験問題を公開します。
成蹊大学法学部「著作権法」試験問題
試験科目:著作権法
担当者名:塩澤一洋
試験時間:60分
参考図書:指定六法・知的財産条文集等・著作権法条文のWebからのコピー
以下の各問に答えなさい。必要な条文に関しては条文の番号を併記すること(文言の解釈が必要な場合を除き、条文そのものを引用する必要はない)。
(1) 最近インターネットを使うようになった小学4年生の姪Aが、とあるサイトで著作権法というものを知ったが、説明が難しくてどのような法律なのかわからなかった。そこで、法学部の学生であるあなたに、著作権法とはなにかという問いかけをした。あなたは小学生にもわかるように、できるだけ平易な言葉を使い、著作権法の意義やその内容について教えてあげてください。
(2) 以下の中から著作物ではないものを選び、理由を述べなさい。
【CD、楽譜、shioの講義、DVD、口笛、ICレコーダー、コンパクト六法】
(3) 昨年12月18日、文化庁長官の諮問機関である文化審議会著作権分科会に設けられた私的録音録画小委員会にて、「著作権者に無許可で動画や音楽をアップロードしたサイトからのダウンロードを、著作権法30条で認められた『私的使用』の範囲から外し、違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとめられました。果たして、これは著作権法の究極の目的である「文化の発展に寄与」することになるのでしょうか。
(4) 著作権法はある枠組みの例外にあたる法律である。その枠組みとは何かについて、著作権法の必要性を踏まえて述べよ。
このうち、(1)、(3)、(4)は、人によって解答がまちまちになる問題。
一方(2)は簡単な基本問題。
著作物でないものは、CD、楽譜、DVD、口笛、ICレコーダー、コンパクト六法ですね(つまり著作物なのは「shioの講義」のみ)。みんなよくできてました (^_^)
このうち、CD、楽譜、DVD、ICレコーダーはいずれも有体物ですから、無体物たる著作物であるはずがありません。
「口笛」は「口」が人体の一部なので「有体物」と評価するのは正確ではありませんが、少なくとも「思想又は感情を創作的に表現したもの」には該当せず、たとえば「トランペット」というのと同様、一種の楽器です。ただし「口笛」を「口によって笛のように奏でることにより表現される楽曲」などと定義した場合には、著作物と言い得ます。また「コンパクト六法」に関しては、書名ではなくその書籍の内容を指称すると限定したうえでそれを編集著作物と認定することは可能です。
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