1095-071116 全方位
学生用語で「就活」と言えば「就職活動」。
みんないろいろと試行錯誤しながら、前進を続けています。
昨日もshioゼミの学生が一人、進路に悩んで相談に訪れました。
彼女の話をよ〜く聞いてから一言。
「給料をもらう側じゃなくて、給料をあげる側になったら?」
最初彼女はshioの言っている意味がわからなかったようでした。
でも、しばらく話をしたら、目がキラキラ輝きだしました。そう、ちょうど3年前、彼女が高校3年生のときにオープンキャンパスに訪れて、shioの話を聞いていたときの瞳の輝きのように。
いろいろな生き方があります。
大学、大学の教職員、そして大学の就職課(成蹊大学では「キャリア支援センター」)は、学生たちの可能性をできうる限り広く広く考えて、彼らが自ら歩みの方向を見定める応援をするべきです。教職員自身の狭い了見から、学生の可能性を矮小化することのないように注意深く接することが大切だと思います。いわゆる「就職」は、たくさんある生き方のうちのひとつです。
shio自身は大学からお給料をいただく身だけれど、世の中には、会社を興こす人もいるし、それを経営して従業員にお給料を支払う立場の人もいるし、その会社に資金を投じる人々もいます。自分はそんなお金の流れ、そしてモノやサービスの流れのどこに立ちたいか。それを学生たちがよく観察して考えて、見極めていくときに、話を聞きながら悩みを共有できるのがゼミの教員。会社を作るなら、社会のニーズやウォンツを感じ取れる感覚や視点を養っていく手助けをするのが大学の教師。
shioゼミの現4年生には、すでに起業した学生がいます。shioゼミのOB・OGには、ある分野で会社を興すと決めて、その修行をしている人がいます。弁護士になりたくて、まずは社会を知るために、すでにいくつもの資格を持っていながら生保で働いている人がいます。みんないろいろ。
キャリア支援センターには、たくさんの企業から、新卒採用の募集が集まっています。毎年「就職率」が注目されます。でも、それはさまざまな生き方の一類型です。
shioが彼女にいろいろ話をしたところ、いままで給料を支払う側になるなどという発想は全くなかったけれど、自分で物事を進めていくタイプの彼女は、自分にはそういう生き方が合っているかもしれない、と思い始めたそうです。可能性のひとつとして、考えてみるのは大切なことです。できるだけたくさんの可能性をならべてから選べばいい。選んだ後で替えるのだって基本的には自由。
最後、彼女に、「5年後にキャリア支援センターに求人広告を出しに来たら? (^_^)」と言って見送りました。ワクワク感に満たされて笑みがあふれながら研究室を後にする彼女の顔は、3年前のオープンキャンパスで「成蹊大学に入りたい!!」と決意してshioに別れを告げたときよりも、オトナでした。清々しい。
学生たちがそれぞれ自分らしい方向に歩み、成長する姿を長く見続けるのが、shioの喜びです。
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Comments
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「「就職」は、たくさんある生き方のうちのひとつ」…とても同感です。
中学や高校でおこなわれている,いわゆる「進路指導」もそうですよね。
単なる就職,単なる進学,あなたの成績ではこの程度…そんな輪切りのような,消去法ばかりの進路指導では,本当のそこの将来を考えることができないのに…。
せめて大学を選ぶときには,shioさんがやられているような,あの大学の,あの先生の元で,こんな勉強(研究)がしてみたい…そんなふうに考えて選べるように多くの子どもたちがなって欲しいと思います。
Posted by: kohjio | 2007.11.18 11:10