1042-070905 情報図書館
帰国してから最も行きたかった場所のひとつ。
それは成蹊大学情報図書館。
→http://www.seikei.ac.jp/gakuen/100th/jigyo/info_lib-2.html
昨年9月に竣工した真新しい図書館です。
今日、図書館の事務長にお願いして、館内をくまなく案内していただきました。
shioは、これを立ち上げるための最初の委員会に委員として関わりました。
委員会の中でshioは、この図書館を、従来のような情報を集める「情報センター」ではなく、情報を発信する「情報ハブ」にしようというコンセプトを出しましたし、「しゃべれる図書館」にしよう、というアイディアも出しました。そのアイディアを世界的に著名な建築家、坂茂さんが美しく具体化してくださいました。
従来、図書館は「静粛」が基本でした。
しかし、shioが学生とともに図書館に行って書架から資料を取り出し、それについて学生と語ろうとしても、図書館内はすべて「静粛」。グループ閲覧室を確保すれば話ができますが、学生とちょっと話をするのに、受け付けにいってグループ閲覧室を予約し、書架から離れたその部屋に行って話す、というのは非現実的です。事実上、今までの図書館には、資料をもとに語り合う場がなかったのです。
しかし大学とは、人と人とがアカデミックなコミュニケーションをするところにその存在意義があります。資料はその素材となるもの。したがって議論の素材たる資料が体系的に所蔵されている図書館こそ、もっとも「語り合い」にふさわしい場所なのです。
そこで、新しい図書館の設計を検討するにあたりshioは、「しゃべれる図書館」にしたいとお願いしました。それを発言したときには、実現可能性のことは考えず、理想を述べましたので、実際問題としてそんな図書館ができるかという疑問はshio自身にもありました。でもそんな図書館があったら、教職員、司書、学生、その他様々な人々が互いに意見を出し合って新たなアイディアを生み出し、さらにそれを世界に発信することが可能です。そんな夢を語らせていただきました。
設計してくださった坂さんが初めて委員会の席に設計図や模型を持ってきてくださったとき、shioは心から感動しました。そこにはまさに「しゃべれる図書館」が実現していたからです。その鍵はゾーンニング。建物中央部分はすべてしゃべれるゾーン、そこからガラスで仕切られた書架に入ると準静粛ゾーン、そしてさらにその先にガラス戸の付いた個室が並び、ひとりで資料(やオンラインの情報)と対峙する静粛ゾーンになっています。
今日、実際に情報図書館を見て、そのコンセプトとアイディアが生きていることを実感しました。完成までにご尽力された多くの方々に心より感謝申し上げます。どうもありがとうございました。このすばらしき図書館をこれから生かしていくのは我々教職員と学生。建物という無機物にぬくもりを与えるのは、そこで生きる人間です。頼れるライブラリアンが研究と教育を強力にアシストしてくれる生きたライブラリーでありたいと願います。
後半の写真は、この情報図書館の地下に設置されたロボット書庫。
72万冊以上を蔵書することができます。東京で最大規模のロボット書庫とのこと。その自動書庫を含め、情報図書館の書庫関連を納入してくださったのが、金剛株式会社。
→http://www.kongo-corp.co.jp/jirei/library/00016.html
こうして書籍のバーコードを読み取るとき、同時に本の厚みも計測し、コンテナに残り何cm積載可能かが表示されます。画期的!!
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Comments
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長らくのご無沙汰になりました
以前にMac People の記事関連や「うなぎの白焼き」でコミュニケートさせて頂きました
情報図書館のコンセプト「しゃべれる」、いいですね!
「水平に相互にencourageする場」がココに見事にありますね
わたしは他大学の学生ですが、相互にencourage できるように心がけたいと思います
さて、図書館といえば
「本に世界を旅させる」活動、BookCrossing をご存知でしょうか?
面白い活動です。
お時間が出来ましたら、
http://www.bookcrossing.com/ (アメリカ)
http://bookcrossing.jp/ (日本)
を訪ねてみて下さい
Posted by: かじ | 2007.10.24 18:39