
Ricoh Caplio GX100
shioの周りで最近、Windowsユーザーが次々とMacを買っています。
「Windows Vistaを買って入れてみたら、必要なソフトがVista非対応なのでXPに戻した」
「Vistaを入れたけど、重すぎて使えない。」
「Vistaを入れたら、各種のドライバが揃っていないので、今まで使っていた周辺機器がほとんど使えない。」
「スタンフォードに来たらみんなMacを使っているので、自分もMacにしようかと思う」

みなさんそんな理由です。
アメリカ人も日本人も、「Vistaって快適!!」っていう人にひとりも会わない。
なんだかみなさん、大変そうです。

MacOS Xは新しいバージョンがリリースされるたびにちょっとずつ速くなってきましたが、こんどの10月に出るバージョン10.5 レパードで、フル64ビットになることによって、劇的に速くなるようです。先日のWWDCで行われたデモや、その後のプレビュー版に関するコメントを見ると、その快適さが伝わってきます。すごく楽しみです。

そんなわけで、Macの購入を検討している方々から色々とご質問を受けるのですが、だいたいその内容は共通している。もっとも多い質問はふたつ。日本語対応とキーボード。
「アメリカでMacを買ったら、日本語は使えるの? キーボードは大丈夫なの?」って。

Macは世界中どこで買っても日本語で100%使えます。
なぜなら、どこで買おうとMacのOSは同一。
日本で買うMacと米国その他で買うMacと、OSに違いは全くありません。
Macを初めて起動したときに、各国語でずらっと「○○語をメインで使います」というリストが出ます。そこで「日本語をメインで使います」という部分をクリックすれば、そのあとはすべて日本語です。つまりMacは、自分がメインで使う言語をユーザー自身が選ぶようになっているのです。これは日本で買ってもどこで買っても同じこと(なお、そうして選んだ言語はいつでも変更できます)。

次にキーボード。
アメリカで売られているMacのキーボードは、当然US配列。
(メキシコ系の人のためにWestern Spanish配列も選べますが、ここでは関係ない話)。
一方、日本で売られているMacのキーボード、デフォルトはJISキーボード。でも、US配列も選べます。

結論を先に言いますと、日本語をローマ字入力している人なら、アメリカで普通に売られているUS配列で全く問題なし。shioもUSキーボードを使っています。実は問題ないどころか、Macは、US配列で使うほうが色々と便利なので、shioは断然US配列が好み。日本で買うときもUS配列を選択します。
これがUS配列です。


JIS配列が好きとか嫌いとか、そういうレベルの話ではありません。shioはMacをUS配列で使うほうが快適と感じるのです。以下に、その理由を挙げましょう。なお、文中に出てくる「command」というキーは、Macのキーボードの最下段、space bar(スペースキー)の2個左隣(USキーボードだと左右)にあるリンゴマークと四葉マークが付いたキーのことです。

(1) 起動中のアプリの切り替え
command+tabで、起動中のアプリを順次変更できるのはJISでもUSでも同じ。でも、そのときに右に行き過ぎて左に戻ることは、JISキーボードでは 不可能 command+shift+tabで可能です(rinshoさん、ご教示どうもありがとうございました。存じませんでした)。でもUSキーボードであれば、commandキーは押したまま、tabキーのひとつ上の「`」キー(「1」の左隣のキー)を押せば、戻れます。tabを押す指をちょっと上に移すだけ。「`」キーが存在しないJISキーボードでは、この操作はできません(shift+[@]で「`」を入力することはできます)。

(2) 使用中のアプリのウィンドウの切り替え
同じくcommand+[`]使うと、現在使っているアプリで複数開いているウィンドウ間を順に移動できます。これも[`]キーが存在しないJISキーボードでは不可能(なお、その後、USキーボードを使っているmaseさんからご指摘いただいたのですが、どうやらMacOSXを最初に日本語モードでログインすると、このキーには割り当てられていないとのこと。また日本語モードのデフォルトでは、command+F1に割り当てられているらしいとの情報もYuanyingさんからいただきました。それらの場合、システム環境設定の「キーボードとマウス」の「キーボードショートカット」で「キーボードナビゲーション」の中の「動作中のアプリケーションの次のウィンドウを操作する」をcommand+[`]に変更すれば実現できます。またrinshoさんによると、アプリによってはこの操作ができないものもあるようです。みなさま、ご教示感謝申し上げます)。

(3) 右側にもcommandキー
USキーボードには、Space Barの右側にもcommandキーがあります。したがってcommandキーとともに右手側に配置されたキーを押す操作がやりやすいです。たとえば、command+[P]で「プリント」、command+[I]で「情報を見る」、command+[O]で「開く」、command+deleteで「選択したファイルをゴミ箱に入れる」、command+shift+deleteで「ゴミ箱を空に」……。

(4) 「0(ゼロ)」キーの左隣に、「ー」と「+」が並んでいる。
たとえば、Safariなどで画面表示の文字を大きくしたり小さくしたりするには、command+[+]およびcommand+[-]を使います。(3)で言及した右側commandキーと合わせて使うと、右手で簡単に文字の大小を変更することができます。でもJISキーボードだと「+」はshift+[;]に割り当てられています。これをcommandとともに押すのは面倒すぎ。

(5) その他、多くのアプリケーションソフトは、USキーボードを前提としてショートカットキーを配置している。
なので、JISキーボードを使っていて「なんでこんな使いにくいキーボードショートカットが割り当てられているんだろう」と感じたら、USキーボードの配列だと使いやすい、ということが多いです。

(6) その他にも、JISキーボード固有の問題がいろいろとあります。
・キーボードの中心(GとHの間)が左に寄っているので、ちゃんと中央に配置されているトラックパッドとホームポジションに置いた手の位置がずれるため、使いにくい。
・returnキーが遠い(ホームポジションからreturnキーまでの間に、JISキーボードはキーがひとつ多い)。
・最上段のFキーとその下の数字キーがずれている。USキーは、その位置がだいたい一致しているので、数字の場所がわかる人ならFキーも見ずに打てる。
などです。

逆にJISキーボードのほうが快適、という人もいます。
その理由として、「かな」「英数」キーがspace barの左右に独立して配置されていることや、リターンキーが大きいことがその理由のようです。
従って、どうしてもJISキーボードがいい、という場合を除けば、アメリカでMacを買っても、何ら問題ありません。アメリカで買ったMacはちゃんと日本語で使えるばかりか、USキーボードを使うことのメリットもかなりあるということです。
なお、日本でもオンラインのアップルストアでは、USキーボードを選んで買うことができます。価格はJISキーボード仕様と同じです。
