959-070616 空を青く撮る
MAさんからのご質問です。
「空も、手前の建物や風景も、両方がバランス良く生きていて
色も綺麗ですし・・ うっとりです。
私が今一番苦労しているのが
青い空をバックに手前の花や建物を綺麗に撮りたい時、なんです。
空が白くとんでしまったり、手前が暗くなったり・・で
全然上手くいきません。
もしコツとかヒントがありましたら、
いつか日記に書いて頂けると嬉しいです!!」
<shioのお答え>
空を青く撮るコツは単純。
カメラを空に向けて、モニター上で空が青くなったら撮影する、それだけです。空に露出を合わせて撮る、ということです。
さらに、空を青くその下の風景も暗すぎずに撮る方法は、今思いつく限り、4つあります。
(1) 撮影するときにカメラのモニターをよーく見て、空の色とその下の景色の色とのバランスが一番よくなるところを探して撮影します。shioはこの方法。
そのためには、カメラができるだけ明暗の差を記録できるように設定するほうがいいです。そこでshioは、画像設定の「コントラスト」を「-2」に設定しています。これで、カメラの能力いっぱい、明るさの幅を記録できるようになるはずだからです。
(2) 撮ったあと、レタッチソフトでシャドーとハイライトを調整。
それでも空の色に露出を合わせた結果、その下の被写体(景色)が暗くなってしまった場合、レタッチソフトでシャドー部分を持ち上げて色を出すこともできます。ハイライト部分も同様、少しだけなら色を出すことができます。でもshioは「写真は撮影した時点で完成品」と思って撮影していますので、あとから色調を調整することを前提とした撮影は一切いたしません。それでも撮ったあとにどうしても必要な場合は、Apertureで若干の調整をすることはあります。
(3) RAWで撮る
RAWで撮影すると、CCDが取得したデータを十分に活かすことができます。なので、現像段階で、暗いところと明るいところ両方の情報を活かすようにすれば、jpegで撮影した場合よりシャドー部分やハイライト部分の色を出すことができます。
(4) HDR
同じ景色を、露出を変えて複数枚撮影し、あとから合成する写真です。High Dynamic Range Imagingの略で「HDRI」または「HDR」といいます。その説明は、こちらに書きました。
→http://www.flickr.com/photos/shio/480139716/
flickrをHDRで検索すると、たくさん出ます。中にはおぞましい色合いの写真もありますが、リアリティーのある写真もあります。露出の異なる複数の写真を合成することによって、明るい部分も暗い部分も全部描写してしまおうという表現方法ですので、ディテールまで細かく描写されているものもあり、とても面白いです。ただ、GR DigitalやGX100ではオートブラケットの設定が±0.5段までしかないので、ちょっと露出の幅が少なすぎます。せめて±1段あれば……と思います。
どの方法をとるにせよ、撮影時に露出をきっちり決めて撮るのが一番大切なことはいうまでもありません。記録した情報以上のものを引き出すことはできないからです。
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Comments
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はじめまして。いつもきれいな写真を拝見し、現地の情景を自分も見ているように感じてしまいます。GX100を購入時に参考にさせていただいて以来、親指シャッター・設定の仕方・AFMFの切り替えなど数多く参考にさせていただいてます。今回また、青空とその下のバランスなど目から鱗です。にしても、技術だけではないと実感させられる写真の数々です!
Posted by: saiou | 2007.06.23 06:49