903-070426 GX100・液晶ビューファインダーを逆さに
一眼レフで撮っていて、ふと自分の変化に気付きました。
ファインダー像が変化しないことに違和感……。
一眼レフカメラのファインダーは、「素通し」。つまり、レンズから入って来た光を直接見ています。その像を見ながら撮影される絵を想像し、その想像上の絵を写真として定着させるために必要な設定をします。ISO感度、絞り、シャッタースピード、ピント、ホワイトバランス、その他各種の画像設定など。それによって、露出による色味、ホワイトバランスによる色味、画像設定による色味、被写界深度などを想像しながら、欲しい絵になるように設定するのです。
一方、コンパクトデジタルカメラで撮影するとき、基本的に背面モニターを見ながら撮ります。すると、その「想像」はかなりの部分、不要になります。なぜなら、モニターが良質であれば、ホワイトバランスや各種の画像設定(コントラストとか色の濃さとか)が加味された結果がモニターに映し出されているからです。たとえば、露出が変われば像の明るさも変わりますから、露出補正をかければそれがそのままモニターの明るさや色味の変化として視認可能になります。白黒モードにしていれば、モニターに映される映像も白黒です。つまり、一眼レフのファインダーよりもコンパクトデジタルカメラのモニターの方が、情報量、とくに色彩の情報が多いのです。コンパクトデジタルカメラにおいてシャッターボタンを押すことは、自分の心に描く「撮りたい絵」がモニターに映し出された瞬間に、それを写真として確定する行為に他なりません。
したがって、コンパクトデジタルカメラの撮影行為には想像はほとんど必要ない。
創造だけすればいい。いや、創造に集中できる。
被写体を自分の目で見たとき、「こういう絵にしよう」という創造をします。「自分が描く絵」を心の中に創りだすのです。撮影前に心の絵はできています。写真撮影とは、その心の中にある絵を写真に定着させる行為。まさに「表現」です。心にある絵を「表」に「現す」のです。
それをコンパクトデジタルカメラでおこなう場合、「自分が描く絵」とモニター上の画像を一致(あるいは近似)させてシャッターボタンを押せばいい。一方、同じことを一眼レフで行う場合は、ファインダー像を見ながら(あるいは見る前から)、被写体をどのような設定で写したら「自分が描く絵」になるかを想像しつつ適切な設定をして、撮影します。これが両者の大きな違い。
一眼レフをファインダーで、GR Digitalその他を背面モニターで、それぞれ使っていた頃(つまり先日4月19日まで)は、なんら違和感がありませんでした。両者は全く別の撮影スタイルなので、それで撮影するのも全く異なる行為。混同することはありません。感覚が混じることもありません。
でも、GX100では主として液晶ビューファインダー(EVF)で像を見ながら撮影しています。
これは、撮影のスタイルは一眼レフと同じようにファインダーをのぞく行為でありながら、そこで見えている像は、GR Digitalなどで背面モニターに映っていたものと同じ。数日間、GX100でこのEVFを覗きながら撮影した後、一眼レフを使ったshioは、そのファインダーに、EVFで得られるのと同様の情報量を求めている自分に気付いたのです。露出を変えたのにファインダー像の色が変わらない……と。
GX100のEVFは、それほどまでに「異次元」の使い心地。
ひとたびこれに慣れると、もうこのファインダーを手離せなくなります。魅惑のEVFです。もちろん、これからも一眼レフでも撮影するし、そのときには今までどおり想像しながら撮影するけれど、より創造に集中できるEVFはやっぱりいぃなぁ、と感じるshioです。
さてこのEVF。
子どもを撮るのに好適です。
shioが子どもを撮る場合、相手の目線の高さで撮るのが基本、であることは以前にshiologyで書きました。
「769-061209 子ども撮影のコツ」
→ http://shiology.com/shiology/2006/12/769061209__1b85.html
GR Digitalだと、子どもを撮るときに背面のモニターを見ようとすると、しゃがんだり膝を地面についたりする必要があります。でも、子どもは動き回る。しゃがんだり膝をついてしまうとこちらの機動性が落ちて子どもの動きに付いていけない。だから、GR Digitalで子どもを撮るときは、立ったまま、ほとんどモニターを見ていません。相手の身長に合わせて、自分の腰とかお腹のあたりにGR Digitalをホールドし、目測でフレーミングして、撮影します。モニターは見ていません。自分の視線は子どもに向けています。それでいい写真がたくさん撮れます。たとえば、このパラグラフの上の写真も下の写真も、ファインダーもモニターも見ずに(GX100で)撮っています。
でもGX100だったら、EVFを上に向ければ、立ったままでも前にかがんで、ファインダーを見ながら撮影できます。かなり低い位置からでもOK。子どもの目線の高さで容易に撮れるし、そのときちゃんとファインダーを見ることができます。これはスバラシイこと。
さらに、上の写真のように、低めの位置から上を見上げる写真でも、楽にファインダーを見て撮影することができます。空に抜いた写真が簡単に撮れます。
GX100。上下逆に撮影して、ファイルを180度回転させています。
そして最後にもうひとつ。
ハイアングル、つまり自分の身長よりも高い位置から撮るアングルの写真。これも、EVFで簡単に撮れます。いままでだったら、頭よりも高くカメラを掲げて前方、とくに前方斜め下を撮るときに、背面のモニターを見ることは不可能でした。しかし、EVFなら、カメラを上下逆さに持つことで、EVFを見上げながら前方を撮ることができます。上の写真はそうやって撮っています。このようにチルト式のEVFの恩恵は計り知れない。まさにリコーが標榜する「撮影領域の拡大」がこのEVFによって実現されています。ありがたいことです。
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はじめまして。
綺麗・鮮やかな写真の数々に、もうただただすげーすげーと感じ入るばかりです。
私もGX100購入検討中で、参考までに御教示頂きたいのですが、これらの写真はRAWで撮られているのでしょうか?
巷間溢れているGX100撮影例と相当かけ離れているように感じるので。9割9分は「腕」の差だと思いますが・・。
Posted by: Marser | 2007.04.27 22:13