734-060912 egword Universalに感動!!
青空文庫には、著作権が消滅した作家の著作がたくさん掲載されています。入力してくださっている方々に感謝申し上げます。民法を作った3人のうちの一人、穂積陳重(ほづみのぶしげ)の著作、『法窓夜話』も青空文庫にあります。Kさんの日記を読んだらこの本が話題に上っていたので、久しぶりに青空文庫を訪ねました。
→http://www.aozora.gr.jp/cards/000301/card1872.html
さてそのファイルをダウンロードしようとしたら、ファイルの種類が3つある。ここにPDFがあれば、迷わずそれをダウンロードするところだけど、あいにくこの文献はPDFでは掲載されていない。さて、どれをダウンロードしようかと考えて、ふと、egword Universalのどこかに青空文庫に関する記述があったような気がした。しかし、egword Universalのサイトにある「製品情報」を探してもそのような記述は見つからない。shioの記憶違いだったかしら……。
→egword Universal 製品情報
………………
egword Universalは、ここ1ヶ月shio愛用のワープロソフト。
従来の「ワープロソフト」の概念を超えています。このソフトで文書を作ると自動的に、DTP業界標準の組版ルール「JIS X 4051」に準拠した美しい文字組が実現するのです。大きな大きな進歩です。何も細かい設定などしなくても、句読点やカギ括弧など、いわゆる「約物」といわれる文字の文字間隔その他を自動的に調整して、雑誌や書籍と同等の美しい文字組をしてくれるのです。革命的。
だから現在、文字主体の文書はegword Universalで作っています。いままでPagesで作成した文書のうち、これからも使うものは、順次、egword Universalに移行していっています。断然きれい。感動的。
Macには、「ヒラギノ」という美しいフォントが6種類、入っています。商用印刷にも用いられるクオリティーのフォントです。買ったらひとつ何万円かするフォントセットが、たった14,800円のMacOS Xに6セットも付属しているのです。本当にスゴいことです。これを実現してくださったアップルその他の方々に感謝です。そのヒラギノ、JIS第4水準までの文字、2万以上の文字種を含んでいるので、たとえば法律文献でよく出てくる旧漢字なんかもすべて原文のまま、表記できます。これは本当にありがたいことです。
せっかくその美しいヒラギノを使って文書を作るなら、できれば文字組もきれいにしたいところ。でもDTP専用のソフトを使うのは一般的ではないし、そもそも高価なソフトには躊躇がある。shioは教師だから、価格的にも、できる限りshioゼミの学生に勧められるソフトを使いたい。できれば普通のワープロソフトできれいな文字組をしてくれるようになったらいいなぁと、ずーっとずーっと思っていました。もちろん文字組の細かいところは、DTPデザイナーの手作業によって緻密に組み上げられていく職人ワザだから、ソフトですべてを自動的に実現するのは難しい。でも、基本的なルールはある。それをワープロソフトに盛り込むことができたら、みんなが作る書類が美しくなって、それを作る人も見る人も気持ちよくなる。アップルが美しい文字セットを標準装備したMacOS Xという「環境」を用意してくださったのだから、それを活かすワープロソフトがあったらすばらしい。
それをMacのワープロソフトの老舗、エルゴソフトが実現してくださいました。
Macとともに歩んで来たEGWORDが、バージョン15でegword Universalとして完全に生まれ変わったのです。プログラムをゼロから書き直したとのこと。約2年にわたる開発は、膨大な作業だったことでしょう。1980年代に、舶来のコンピュータであるMacintosh向けに日本語ワープロを作るような進取の気性に富んだエルゴソフトだからこそ、この偉業をなし得たのだと思います。「Macにはegword Universal」。そう言わしめるクオリティーを持ったワープロソフトを開発してくださいました。ありがとうございます。
コンピュータできれいな文書を簡単に作りたい人は、Mac+egword Universal。最高のコンビです。
………………
さて青空文庫のはなしの続き。
おかしいなぁ……。egword Universalのサイトで、確かに見たと思ったのだが……。
そこで改めてgoogleで検索してみたら、発見!!
→http://www.ergo.co.jp/download/mac/ew_up/egwu101up.html
このページの中程にある「アップデータにおける変更点」に、「v1.0.1で搭載された機能」が書かれているのだけど、そこにさりげなく「青空文庫のテキストファイルを解析して読み込めるようになりました。」とある。おぉ、これだ!!
なるほど、アップデータで追加された機能なのですね。
すぐさま青空文庫のサイトに戻り、テキストファイルをダウンロードし、説明されている手順に従ってegword Universalで開いてみると……。
美しい。。。
感動だぁ。
きれいな2段組み。当然、文字組は印刷物並みにきれい。これはすごーーーい!!
ルビもきちんとふられています。こんなきれいな文字組が、なーーんにも手間をかけずにできてしまうのは驚異的。
スバラシーーイ!!
この美しさをみなさんにご覧いただきたくて、PDFにして掲載しておきました。MacはPDFが標準。だからどのソフトで作成したファイルでも、特別なソフトを必要とせずに、簡単にPDFに変換できます。便利です。
→「hosoyawa.pdf」をダウンロード
エルゴソフトさま、青空文庫ファイルの読み込み機能はスバラシイです。
こんなステキな機能まで付けてくださって、どうもありがとうございます。
これを宣伝しないのはもったいない。製品情報の「その他の新機能」あたりに記載したほうがいいです。「ファイル互換」のところにも「青空文庫テキストファイル」を加えるのもいいと思います。
美しい文字組を活かす応用。古い文献が、読みやすくよみがえります。これは誇るべき機能だと思います。
そんなわけで、egword Universalに感動、しきりです。アップルのプレゼンソフト「Keynote」と同様、「egword Universalを使うためにMacを買う」とさえ言うことができるクオリティのソフトです。
こんなスバラシイegword Universalについては、引き続きshiologyでとりあげる予定です。
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Windowsって難しいんだな?
先週Windows Vistaを導入した者ですが。
マカーだった私には使い勝手が悪くかなり悪戦苦闘しています。
アポでは簡単にWeb公開してるんですが、Winには内... [Read More]
pdfファイル見ました。
われわれ編集を職業としている者は、たいてい自分のなかに「見やすい組版」つまり1行の文字数、行と行の間、余白など……を数値にした「物差し」を持っているもので、pdfの組版を計ってみたところ、かなりそれに近いものができあがっているので驚きです。従来、ワープロソフトはアメリカ製品のローカライズがほとんどだったので、その点ほとんど考慮されていませんでした。ルビの付け方なども日本語組版をよく研究して作ってあると思います。
そこに載るヒラギノフォントも、新しいデザインですが、活字時代に花開いた日本語タイポグラフィの歴史をよく研究している美しい書体です。豊かな文字面が実現できるワープロに仕上がったんですね……欲しくなってしまいました。
(ヒラギノフォントについて)
http://www.apple.com/jp/pro/design/typography/01/index.html
Posted by: ぽいんと尺 | 2006.09.14 15:00
こんにちは。ちょっと質問させてください。
egword Universalを試用していますが、原稿用紙モード(縦書き)で、会話分の最後の「。」と「」(かぎ括弧)」を一マスに入れる方法が分かりません。自分なりに調べてみたのですが、どうしても分かりませんでした。このソフトでは実現できないのでしょうか?
egword Universalは使ってみてとても気に入りました。購入予定なのですが、上記のことがちょっとひっかかっているので…。
よろしくお願いします。
Posted by: terada | 2006.09.21 21:13
terada様
私は件のegword Universalをまだ使っていないのですが、ご参考までに。
コンピュータで扱える“、”も“」”も、全角ひとマス□の記号しかなく、egwordではカーニングで文字間の微調整は可能でありますが、ひとマスにまとめるまではできないものと思われます。
印刷の世界では、全角ひとマス分の活字も、半分の活字も存在しました。現在では電算写植(写真植字)に置き換わっていますが、半分の扱いにすることは可能で、こちらは全角の記号を文字間調整することによって半角分の記号を実現させています。
おそらくワードプロセッサでそこまでできる機能をもったものは、Windows用などを含めてもないのではないでしょうか? イラストレーターでは可能ですが、おそらくご使用の目的には合致しないですよね。
Posted by: ぽいんと尺 | 2006.09.24 03:17
ぽいんと尺様
コメントありがとうございました。
実は、その後エルゴソフトさんに質問のメールを出してみましたところ、次のような内容の回答をいただきました。
・まず、半角カタカナでマルとカッコを打つ。
・この段階ではマルの位置が左に寄っているのでベースラインの調整をする。
これで、見た目は同じようになりました。いわゆる裏技でしょうか、(^_^;
質問したこの場への報告が遅れました、m(__)m
Posted by: terada | 2006.09.24 08:37