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2005.12.13

572:051212 ほぼ日手帳と三色ボールペン

レモンの花のつぼみ。かわいいですね。GR Digital。無修正。
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一昨日,ほぼ日手帳 2006 Springを注文しました。今回から新たに企画されたSpringバージョンです。通常のバージョン「ほぼ日手帳 2006」は2005年12月から2006年12月までの予定を書き込めるようになっていますが,Springバージョンは2006年3月から2007年3月までの予定を書き込める仕様です。日本の大学で仕事をする場合,12月終わりの手帳より3月終わりの手帳の方が使い勝手がいいです。現在はアメリカで生活しているので,日本の年度はあまり関係ありませんが,日本に戻ったときにそのまま使い続けられるように,今回からSpringバージョンにしました。9月の販売のときは通常バージョンのみだったので,今回から販売が開始されたSpringバージョンをようやく注文することができました。

ほぼ日ストアはちゃんと海外発送をしてくださいます。ありがたい。
色は,あまり悩まず,革カバーのネイビーにしました。
shioゼミは,ほぼ日手帳の愛用者多数。みんな,もう注文しましたか? 12月20日までですよ。

ほぼ日手帳を使う際の必需品は「三色ボールペン」。三色といっても「赤・青・緑」の三色なので,これに黒を加えた「四色ボールペン」で代用します。shioが使っている銘柄は,パイロットの「フィード GP4」。芯の太さが0.7mmです。

三色ボールペンの使い方は、齋藤孝著「三色ボールペン情報活用術」や「三色ボールペンで読む日本語」をごらんください。元々は本を読むときの傍線に三色を使い分ける方法です。

使い方は簡単です。まず主観と客観を分ける。
赤と青は客観の色。
緑は主観の色。つまり自分の色。

客観のうち、赤は最重要、青は重要。つまり、他人の著作物(論文でも判決文でもなんでも)を読んでいて、その著者がもっとも言おうとしていることが表現されている部分には赤で傍線。そこまで重要ではないけれど、まあ重要と思われる部分は青で傍線。

一方、読んでいて自分がいろんなことを感じる。ここは面白いとか、これはおかしいとか、疑問だとか。そういうところは緑。つまり自分の主観を反映する色。読みながら自分が感じたこととかがある場合は、それも緑で文字で書き込んじゃいます。齋藤孝さんは「面白い」と思ったところに緑、とおっしゃっているけれど、shioゼミルールは、「おかしい」「疑問だ!!」と感じたところにも緑です。学問には、この「?」がとても大切。学問は常に疑問から始まりますから。だから、自分が抱いた「?」をきちんと跡づけておくことに意味があります。だから緑は超大切。自分を投影する色です。「!」と「?」の色です。

これを手帳に応用します。
対外的な予定か、自分の予定か。
対外的な予定は重要度に応じて赤と青を使い分けます。自分の予定は緑です。すると、「自分の時間」というものが浮き出てきます。自分の時間はとても大切。それを上手く作り出して、自分と向き合う、自分の研究をする、自分の創作をする、そういう時間をマネージする道具。それが手帳と三色ボールペンです。

そしてほぼ日手帳は書き込める面積が広いです。思いついたことは何でも書き込みます。自分のアイディアですからもちろん緑で書き込みます。

ちなみにshioゼミの学生に三色ボールペンの愛用者が多いのは,彼らが常に客観と主観の峻別を意識しているからです。たとえば,ディベートのときには,こんなことが起こります。292:050126 ディベートに三色ボールペンをごらんください。

学問をする上で,大切なことのひとつは,客観と主観との峻別です。その基本的な姿勢を三色ボールペンという単純なツールに落とし込んで顕在化させてくださったことが,齋藤孝さんのすばらしいところです。感謝しております。

「客観と主観との峻別」をちょっと説明しましょう。
客観の例としては以下のようなものが挙げられます。
・現在,こうなっているという事実
・過去にこういうことがあったという事実
・○○さんがこう考えている,こう主張しているという事実

一方主観は,それらの客観的情報に対して自分がどう感じたか,どう考えたかという自分の内面,そしてそれを表明する自己表現です。

学問をする上では,この両者をきちんと峻別した上で,自己表現をすることが求められます。客観的事実を綿密に明らかにした上で,それに対する自分の考え(主観)を述べるのです。客観的事実を基底にして,そこから論理を運び,到達した自己の結論を表明するのです。「自分の考え」が表明できたとき,はじめてそれが付加価値となり,コミュニティーへのcontributionになります。なお,「自分の考え」が表明できればいいのであって,それが他人の考えと異なっているか,たまたま同じであるかは,関係ありません。

逆に主観と客観を混同したり,どちらかのみに終始するも言説は学問に不適切です。例えば……
・既存の事実(客観)を,さも自分が考えたもの(主観)であるかのように述べる。
・他人の考え(客観)を,さも自分の考え(主観)であるかのように述べる。
・事実がこうであった(客観)あるいは,他人はこういっている(客観)ということのみを述べ,自分の考えの表明(主観)がない。(ただし,その事実(客観)が社会的・学問的に未知である場合は,それを発見すること自体に価値があります)
・客観的事実に基づくことなく,自分の考え(主観)のみを主張する。

というわけで,shioの頭もshioゼミ学生の頭も,常に客観と主観のスイッチがカチカチ切り替わっているのです。それを外部化するツールが三色ボールペンなのです。

さてその三色を含んだ四色ボールペン。shioが日本にいたときには,研究室にはあちこちにおいてあったし,それぞれのカバンには1本ずつ入れっぱなし。手帳にも付けっぱなし。いつでも手近にありました。でもアメリカに来る際,荷物を最小限にするために1本だけ持ってきました。当然こんなものは「行ってから買えばいい」と思っていたのです。ところがこちらに来て4ヶ月,どこを探しても売っていません。こんな日本では当たり前のペンが売っていないのです。厳密にいうと,売っている店はあったのですが,日本のものとは比べ物にならない程,造りがチープで,書きにくい代物で,とても買う気にはなりませんでした。しかたがないので,現在日本に出張中の外村さんにまとめ買いをお願いしました。こちらには日本にない便利なものがある反面,日本で当たり前の便利なものが存在しなかったりします。面白いですね。

GR BLOGがトラックバック企画第4弾を開始しました。お題は「クリスマス」とのことですので,先日,広大なクリスマスツリーの畑にクリスマスツリーを切りに行ったときの写真を掲載しておきます。
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Comments

Palo Alto (Stanfordのすぐ近く)にあるMaidoは日本のstationaryを扱っているお店です。きっとあると思いますよ、3色ボールペン。MaidoはSantana Rowにもお店を出しています。お値段はちょっと高いと思いますが。。。

http://www.google.com/local?hl=en&lr=&client=safari&rls=en&q=maido&near=Palo+Alto,+CA&sa=X&oi=locald&radius=0.0&latlng=37441944,-122141944,10973273842102235793

後はKinokuniyaにあるはず。(Mitsuwaのとなり)
http://www.google.com/local?hl=en&lr=&client=safari&rls=en&q=kinokuniya&near=San+Jose,+CA&sa=X&oi=locald&radius=0.0&latlng=37335278,-121893889,14751245763104490620

3色ボールペンの使い方参考になりますね。私はラミー社の4色ボールペンを使用しています。なかなかおすすめです。手帳を開けたとき、色分けで予定がスムーズにいくように思います。

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