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2005.11.18

557:051117 GR Digital使用に関する質問へのお答え

shioがアップしているGR Digitalで撮影した写真について,いろいろとご質問をいただいております。個別にメールでお返事したりしているのですが,shio語録にあるように「一人の質問はみんなの疑問」ですので,blogに掲載することにいたしました。

【三脚の使用について】
shioがGR Digitalで撮影している写真の多くはISO64です(各写真をクリックしてflickrのサイトに行き,More PropertiesをクリックしていただくとExifデータをご覧いただけます)。そして夜の写真,たとえば,このphotoset(Paris at night with GR Digital)に含まれる写真でも,35枚中,ISO400が4枚,ISO200が4枚ある以外はすべてISO64です。当然,シャッタースピードは1/4, 1/2, 1秒といった長さになります。

そこで,三脚を使っているのかというご質問をいただいているのです。
答えはNo。shioは一切三脚を使っておりません。使っていないどころか,パリには三脚を持って行かなかったし,サンフランシスコにも持ってきていません。所有する三脚や一脚は,すべて日本においてきました。使いませんから。

上記のような遅いシャッタースピードの写真も含め,shioが撮影している写真はすべて手持ちです。それでもほとんどブレることなく撮れるのは,GR Digitalのストラップのおかげです。GR Digitalのネックストラップ(カメラの左右から両釣りするストラップ。本体に同梱されているハンドストラップではなく,別売オプションのネックストラップです)のおかげです。ネックストラップをピーンと張って撮影することによって,ほとんどブレを抑止することができます。これはCaplio GXのときから使っているワザ(というほどのものでもないけれど)です。

したがって,Caplio GX,Caplio GX8,GR Digitalは,本体の左右にストラップを通すアイ(金具)が付いていることで,ストラップを併用することにより,あたかも「手ブレ補正機構」を備えているようなものなのです。従来のフィルムカメラは左右の手とおでこ,および鼻で支えることによりブレを防止しました。しかし,モニタを見ながら撮影することの多いデジタルカメラの場合は,おでこや鼻に押し付けることができないので,ぶれ易くなります。だからネックストラップが非常に重要なのです。

ついでだから書いておきますと,一眼レフで撮影する場合,あるいはコンパクトカメラでモニタでなくファインダを使って撮影する場合,カメラは右手で持ちますか,左手で持ちますか? 左手です。カメラを右手で持つと,ブレます。右手の人差し指でシャッターボタンを押すからです。左手の上にカメラを載せて左手でカメラを下からがっちり支え,右手はカメラに添えるだけにして,そーっとシャッターボタンを押す。そうすると,ブレを最小限にとどめることができます。

【色調の修正について】
「先生のアップされている画像は色の修正とかされていますか? すごい鮮やかなので……。キャノン(の一眼レフ)よりコントラスト強いかな?って感じがします……。 」とのご質問です。

基本的に修正しておりません。撮影したまま掲載しております。
ただし,552:051112 GR Digitalで白黒やパリの夜の最初の5枚【GR Digitalで白黒っぽく】は,カラーで撮影したものを白黒にしたり,彩度を下げてコントラストを上げたりしております。それ以外,shiologyに掲載しているカラー写真は,すべて撮ったままです。色調も変えず,トリミングもせず,ともかく何も手を加えておりません。

shioは,写真は撮影時点で完成,と考えているので,原則的にあとから手を加えることはありません。何か別の必要がある場合とか,別の目的で色調を変える必要があるときには加工をしますが,とても稀です。もしかしたら写真の加工をするのは楽しいのかもしれませんが,それを仕事にしているわけではないし,なにぶん他にもやることが多いので,過去に撮った写真を加工している時間がないです。ともかくshioは写真を撮るのが好きなので,撮っただけで満足なのです。

コントラストが強いのは,小さいCCDの特性です。やはり小さいCCDはコントラストが高めに出ます。その辺は一眼レフとは違います。実はGR Digitalの設定で,コントラストを「-2」に設定し,シャープネスを「+1」に設定しています。つまり,コントラストを下げる設定にしていてもこの程度のコントラストは出るのです。それが小さいCCDを用いるコンパクトデジタルカメラの特性であり,GR Digitalも同様です。その特性を生かすのもまたGR Digitalを使う楽しみでもあります。

感覚としては,latitudeの狭いリバーサルフィルムで撮るようなものです。撮りたいものの明るさに合わせてその色が映えるように露出を決めるのです。GR Digitalはそれ以前のCaplio R2などよりも格段にモニタが見易く,忠実になったので,モニタを見ながらカメラを振って(カメラの向きを微妙に変えて)露出を決めることができます。Mamiya7やLeicaM6を使っていたときは,カメラを振って露出計を見ながら瞬時に絞りやシャッタースピードを調整して撮影していました。特にLeicaM6の場合は,屋外では露出計さえ見ずに露出を決定することも多くありましたが,それでも頭の中ではその場所の明るさを絞りとシャッタースピードの組み合わせに変換して手に伝えていたのです。

いま,デジタルカメラが忠実なモニタを備えることによって,「露出」あるいは「絞りとシャッタースピードの組み合わせ」という数値に変換することなく,モニタで直に露出(明るさと色味)を見ることができるようになりました。撮影経験の豊かな人が蓄積してきた「露出」という脳内データベースを必要とせずに,直接,撮影対象の明るさ,色味をモニタで見ることができるようになったのです。それがデジタルカメラのすばらしいところです。shioも,GR Digitalで撮影するとき,カメラを振って(上下左右に動かして)モニタを見ながら露出を決定しています。時には露出補正をします(右上にある上下ボタンを親指で操作すれば,直接露出補正ができます)。だから,ラティテュードが多少狭くても,自分の欲しい色を容易に得ることができます(本当はAEロックボタンがあると完璧なのですが)。

またGR Digitalは,露出マニュアルモードを備えています。マニュアルモードにして,絞りやシャッタースピードを変えてゆくと,モニタの映像が明るくなったり暗くなったりします。そしてオーバーやアンダーになったときには,真っ黒や真っ白になるのではなく,ぎりぎり被写体が見える程度で変化が止まり,モニタとしての役割を継続してくれます。もちろんオーバー・アンダーを示すバーやヒストグラムも表示できます(shioはヒストグラムを見ながら撮影したことはありませんが)。そういったしくみを複数用意することによって,いい絵,いい色,いい明るさを撮影者の意図どおりに得ることができるようにしてくれているカメラ,それがGR Digitalです。ですから,コントラストが高くても,気になりません。

【ズームがない!?】
GR Digitalにはズームはありません。「ズームがない???」という質問が実は一番多いです。「ズームがなくてどうするんですか」と言われても,それはズームがないカメラが欲しくてGR Digitalを使っているshioが最も返答に窮する質問です。

28mmのレンズを付けたGR Digitalを持って歩いているとき,shioの目は28mmになっています。21mm wide conversion lens(ワイコン)を付けて歩いているとき,shioの目は21mmになっています。そのほかのレンズでもいつも同様に,shioの目がそのレンズの画角になってモノを見ています。50mmのときは50mmの目に,85mmのときは85mmの目に,200mmのときは200mmの目に……。で,撮りたいものがあったら,カメラを向ける前から絵はでき上がっていて,それを単にカメラに定着させる行為が撮影です。

写真を撮り始めた当初,50mmF1.8のレンズを付けたカメラで,1万枚くらいシャッターを切りました。そしたらカメラをのぞかなくても,50mmレンズで撮れる絵が見えるようになりました。その後,35mm,85mm,28mm,200mm,24mmと同じようなことをくりかえし,それぞれの画角でモノを見られるようになりました。だからカメラがなくても,○○mmのレンズでこれを撮るとどうなる,という絵が自然と見えます。それも前後左右上下,360度から見た図を描けます。

そんなshioは,ズームレンズだとなかなかうまく撮れないのです。たとえば「50mmでこれを撮ってこういう絵にしよう」と思ってズームレンズの付いたカメラをのぞいても,ズーム位置が50mmではないことが多く,またズームの位置を50mmにぴたっとと止めることが難しいため,撮影までに時間がかかってしまい,その間に被写体の方はすでに動いてしまっています。だから結局28mm-85mmのズームレンズが付いているCaplio GX8などを使っているときにも,もっぱら28mmに固定して使っています。そうすれば28mmの目でモノを見ればいいのです。そしてズームレンズであっても広角側の28mmのみしか使わないのであれば,歪曲がなく画質の有利な単焦点レンズ(ズームしないレンズ)の方がいいに決まっています。GR Digitalはそのようなshioのニーズにあったカメラなのです。

もうひとつ,ズームを必要としない理由として,被写体の見方が挙げられます。
ズームレンズを使って撮影している人を見ると,撮影する対象の範囲の大小をズームを使って選んでいるように見受けます。ここまで入れようか,あれは入らないようにしようか,のように。つまり,被写体を枠で捉えているのです。しかしshioの被写体はいつも点です。撮りたいものはいつも1点です。写真はその点の周囲に広がっているだけです。だから,その範囲はあまり問題ではない。その点を浮き彫りにすることがshioにとっての写真撮影です。だから,ズームを使って枠の大小を決定する,というプロセスは必要ないのです。

それとは別にshioは,面で捉える写真も考えています。点を少し広くした面です(枠ではありません)。いつもshioがやっているように点を捉えてその周囲の立体感を表現するのとは別に,三次元の立体が平面に描き込まれる面白さを考えるのです。写真はその性質上,三次元空間を二次元に落とし込む作業ですから,いわば当たり前ですしいままで多くの人たちがやってきたことなのですが,普段,立体感を持って見ているものがペタンと平面的になるのはやっぱり面白いです。この場合も面は点が少し広がっただけなので,ズームレンズで範囲を調整する必要はないのです。

久しぶりに書いたらちょっと長くなりました。でもHappy Hacking Keyboard Professionalのおかげで書くスピードが上がりました。PFUに感謝です。今日は大学に行って,一日中,何かを書いていました。その勢いでblogも書いてしまいました。たくさん書いたので今日の写真は一枚だけ。

R1001338

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Comments

 Shioさん、こんばんは。ネックストラップ打法すばらしいです。お陰で手持ちブレブレ夜景から卒業できました。感謝。

なかむらさま,

お返事が遅くなって申し訳ございません。
ネックストラップ,簡単な道具なのに,ものすごく意義が大きい。手ブレ補正機能はとってもありがたい技術だけれども,そういうものに頼る前にやれることはまだあるかもしれませんね。

1secでもブレを最大限防止するワザをお伝えします。
その1。よく「脇をしめて」と言われますが,1secにもなると,脇をしめていると心臓の鼓動が腕に伝わってしまい,かえってブレます。だから脇は胸から浮かしています。
その2。掌でカメラを前に押し出すようにして,ストラップをピーンと張る。
その3。息を吐ききったところで,静かにシャッターを切る。
その4。撮影中は息を完全に止めてます。

なかむらさんも何かうまいワザをお気づきになったら,ぜひご教示ください。

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