110:040712 感染性胃腸炎による下痢の対処・セイラー万年筆
今日は先週金曜日の民法2の講義中に少し触れた「二重否定」について書こうと思っていましたが、もっと書きたいことがふたつできたので、二重否定は別の日に書くことにします。
今日のblogは蒲田への行き帰りの電車の中で書きました。電車で座った直後から書き始め、駅に着く直前まで書き続けられるPowerBookは、本当に「使える」道具です。
今日のshiofotoはgreen under blue。リコーCaplio GXで撮影しました。最近、「caplio」や「GX」での検索がとても多いので、作例としてご覧になる方のためにリンクを張っておきます。現在までfotologに載せたCaplio GXによる写真は次のとおり。
7月11日の 零余子(むかご)
7月10日のcarpaccio
7月3日のランチ
7月2日のafter sunset of yesterday
6月29日のlooking out of the window with my brand-new Ricoh Caplio GX with the Wide Conversion Lens to be 22mm!!!
<感染性胃腸炎による下痢の対処>
午前中、下痢になったTに同行してFクリニックへ。
Dr. Fから教わったことは以下の通り。
・聴診器で胃腸の音を聞く。→胃腸の動きが停滞している。
・腹部を左右から押す。→張っている様子はないので、虫垂炎などの病変はない。
・したがって、ウィルスなどによる感染性胃腸炎であろう。ウィルスの種類や侵入原因などは便培養をすればわかるが、結果が出る頃には病気は治っているはずなので必要なし。下痢の原因の可能性としては、かぜか食中毒。
・感染性胃腸炎の特徴:下痢が5〜10回/1日、嘔吐も5〜10回/1日。劇症であるほど早く回復する(なぜなら、ウィルスが速く体外に出るため)。
・感染性胃腸炎の対処は「1に絶食」と「2に睡眠」。
絶食について……
・動きが停滞した胃腸に食物を入れても消化されない。「おなかが空いた」と求めるまでは絶食。
・大切なのは水分の摂取。もし水分を飲んで嘔吐してしまっても負けじと水分摂取。飲んだ1/10が吸収されればいい、というくらいの気持ちで。一度にたくさん摂取するのではなく、一回の量は少なく、回数を多く。
・水分は、水、麦茶が最適。なければ焙じ茶も可。糖分の消化にはエネルギーを使うのでジュースなどは不可。スポーツドリンクは大人は可、小児は不可。
・空腹を感じたら回復してきた証拠なので徐々に食べる。おかゆとご飯とは実は消化にかかる負荷はあまり変わらないのでとくにおかゆを炊く必要はなし。一般に消化が悪いとされているもの以外は何を食べてもよい。
睡眠について……
・感染性胃腸炎の場合、どんな風邪にも増して、睡眠が効果絶大。
F先生の説明はとても論理的で理解しやすい。ありがたいことです。
<長原宣義氏の万年筆クリニック>
蒲田東急プラザへで本日まで行われている長原宣義氏によるセイラー万年筆クリニックへ。
前回国分寺にいらしたときに預かっていただいた万年筆を受け取る。
shioに渡すとき長原氏は、
「こんなの、世界に一本しかない。お返ししたくないほどの出来ですわ。」
とおっしゃった。そのことばどおり、すばらしいペン先にしていただきました。本当に書きやすい。クロスポイントを付けていただいたので、太くも細くも裏返しても書ける。エンペラーを付けていただいたので、インク切れしない。大量の答案を読みながら点数を付けるときや、長文を校正するときのように、断続的に書く際、太くも細くも書けてインク切れしないこのペンの機能が絶大に発揮されます。どうもありがとうございました。この万年筆を購入したのは1989年。15年経って、新たな命を吹き込まれたかのように感じます。
さっそく採点で使うため、赤インクを買ってきました。以前から赤のインクが欲しいと思いながら買うのを延ばし延ばしにしていたのですが、今日、試し書き用に置かれていた万年筆に赤が入っていて、それで書いてみたら気に入りました。透明感のある赤です。いままでいろんなインクを試し書きしていますが、同じ色名のインクでもメーカーによって発色は千差万別。たとえば同じ赤でも朱色っぽかったりくすんでいたり。セイラーのインクはどの色も濃さと透明感があり、きれいだと思います。今年の民法2の試験、323枚の採点はこの赤で行うことにします(といっても採点後の答案用紙を学生が見ることはないのですが)。
例によって長原氏とさまざまなお話。
先日、ヨーロッパを旅行されたそうです。イタリアに行ったことによって、どうして欧州製万年筆が現在のようになったのかが分かったとおっしゃっていました。欧州製の万年筆は、高価で装飾も甘美。しかし、書きにくい。それはなぜか。
シャープペンシルの普及とボールペンの普及によって、人々が筆記具を立てて使うようになった。筆圧を高く、20gも30gもかけるようになった。それが50年も続くと万年筆製作者もそのようにペンを立てて使う人々に合わせて、万年筆まで筆圧をかけて立てて書くようにペン先を作るようになった。だから、日本人が万年筆本来の書き方をすると、つまり寝かせてソフトに万年筆を使うと、ワンタッチ(書き始めのインクの出)が出ない、かすれる、など症状を来たし、全く書き味の悪い代物となるのだそうです。
ペンは書き味が命。自然に個性的な文字を書くことができ、書き続けても疲れないペンがいいペンだと思います。shioはブランドと値段と装飾のみでペンを選ぶことはしません。
長原氏によると、長原氏がペン先の調整をした欧州製万年筆がネットオークションで「長原氏調整の○○万年筆」と銘打って売り出されているそうです。長原氏はちょっと残念がっていました。彼は、持ち主の書き癖を目の前で見て、その人に合ったペン先に調整していらっしゃいます。その人がその万年筆で文字を書くことが楽しくなるように願いながら。
もちろん、長原氏が調整した万年筆を売ることは法的には何ら問題はありません。知的財産権的にも何ら問題ありません。しかし、長原氏がそのことを残念そうにお話しになるのを聞くと、知的財産、無体財産って何だろうと改めて考えさせられます。
長原氏が研いだペン先に宿る価値はかけがえのないものです。shioは毎回、長原氏に調整していただいたら、心ばかりのお礼に必ず何か買って帰るようにしています。今日は赤インクを買いました。あとで、今月18日に発売される月刊アスキーを同封して、お礼状を送らせていただくつもりです。もちろん、長原氏が研いだ万年筆で。
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