059:040522 教育とは教えないこと
境 広志さんと湯川鶴章さんからコメントをいただいておりました。遅くなりましたがお礼に一言ずつ書かせていただきます。
境 広志さんからコメントをいただきました。
どうもありがとうございます。
お互いによりよい講義を目指して行きましょう。講義の中でshioが心がけていることはたくさんあります。そのうち、「学生の頭を味方に付ける」という観点においては、shioは講義中、できるだけ学生が自分自身で考える機会とその時間を作るようにしています。
答えを教えるのは簡単です。しかし教わったことはすぐに忘れてしまいます。自分で考えたことは忘れにくい。そればかりか、自分で一回考えた経験があれば、たとえ忘れてももう一回考え直すことができます。だからできるだけ教えない。学生が自分で考える機会を大切にしているのです。
さらに社会科学の場合、shioの答えは絶対の真理ではありません。shioの答えは単にshio自身の答えにすぎない。shio以外の人はshioの答えと異なるのが当たり前。だから学生には、shioの答えを聞いてそれを鵜呑みにするようなことは絶対にして欲しくない。他人の意見を聞いてそれを鵜呑みにするような無思慮な人間にはなって欲しくない。そもそも他人の意見や既存の結論に対して疑問を投げかけ、それを問い直すところから学問が始まるのであって、それをするところが大学なのです。大学がそのような場である以上、shioはshioの答えを述べるにあたって、可能な限り謙虚でなければならない。学生自身に考えてもらい、彼らが彼らなりの解にたどり着いてもらいたい。それがあって初めて、shioの考えを述べる。そうするとshioの答えを相対化してきいてもらうことができると思うのです。
教育とは教えないこと。
shioはそう考えて、日々、学生とつきあっております。
湯川鶴章さんからコメントをいただきました。
どうもありがとうございました。
また、いつもお読みいただいているとのこと、感謝でございます。
大学に長くいるのは、長期的に見ればプラスだと思います。shioも長くいましたよ。
ご教示いただいたマルクスのことば、著作権法学的にも大変興味深いです。著作権法の本質的な法目的を見誤らないためにも、よく考えてゆきたいと思います。どうもありがとうございました。
040520に書きましたパスタパーティーのおり、その主催者であるS先生(外科医で救急救命がご専門です)が、ご自身の「家訓」を教えてくださいました。
「世のため人のために生き、喜びと感謝に満ちた人生を全うせよ」
人間と社会に対する深い愛情を感じます。まさにS先生のおひとがらを表すことばだと感じました。
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